文献詳細
臨床経験
文献概要
骨傷を伴わない頚髄損傷の予後調査を行い,狭窄因子が予後に及ぼす影響を調べた.骨傷のない頚髄損傷17症例を対象とし,手術治療の有無,MRI上狭窄の有無,神経症状などについて評価した.全17例中,手術例7例を含めた15例が退院時には狭窄がなく,そのうち11例(73%)において神経症状の改善が得られていた.また,狭窄があり,かつ保存的治療のみを受けていた2例では麻痺症状が悪化していた.当院では,狭窄のある患者には受傷後2週頃に積極的に除圧手術を行っており,試みてよい治療法である.
参考文献
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