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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻3号

2007年03月発行

文献概要

誌上シンポジウム 腰椎椎間板ヘルニア治療の最前線

Love手術

著者: 野原裕1

所属機関: 1獨協医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.197 - P.201

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 Love手術の成績は短期・長期ともに良好であり,皮切,出血量,手術時間のどれをみても決して侵襲の大きな手術とはいえない.手術準備と麻酔の時間は短く,高価な器械のない病院でも技術があれば可能な手術である.欠点は,症例(脱出形態,脱出椎間レベル,体格の違い)で手術難易度に差があり,そこにはラーニングカーブがあること,視野が狭く術者と第一助手しか術野を見ることができず,看護師や麻酔科医などのスタッフと手術を共有できないことである.顕微鏡は,手術内容を記録する,見学者に見せるときに使うが内容はLove手術である.現在の内視鏡下手術が基本的に神経根を操作してヘルニアを摘出する以上は,いかなる器具を用いた手術であってもLove手術を凌駕できないであろう.胃カメラのように,一本の管で覗き同じ管を使って神経根に触れずにヘルニア塊を摘出する時代がくれば,Love手術を凌駕し,ゴールドスタンダードとなるであろう.

参考文献

1)金田清志,藤谷正紀,本間信吾・他:脊椎後方手術の体位とフレーム.臨整外 12:695-703, 1977
2)Love JG:Protruded intervertebral disks with a note regarding hypertrophy of ligamenta flava. JAMA 113:2029-2034, 1939
3)Love JG:Removal of protruded intervertebral disks without laminectomy. Proceedings of the Staff Meeting of the Mayo Clinic 14:222, 1939
4)Macnab I, McCulloch J:Backache. 2nd ed. Williams & Wilkins, Baltimore;130-134, 1986
5)Mixter WJ, Barr JS:Rupture of the intervertebral disc with involvement of the spinal canal. New Engl J Med 211:210-215, 1934
6)野原 裕,石橋和則,大堀正明・他:変性性辷り症に対する椎間関節内側切除と後側方固定術―distractionとcompression rodの併用.脊椎脊髄 1:317-324, 1988
7)竹本知裕,浅野 聡,東村 隆・他:腰椎椎間板ヘルニアに対するいわゆるLove法の長期成績―術後10年以上経過例の検討.第29回日本脊椎外科学会にて口演,名古屋,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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