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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻3号

2007年03月発行

文献概要

誌上シンポジウム 腰椎椎間板ヘルニア治療の最前線

腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的レーザー椎間板減圧術

著者: 里見和彦1 宝亀登1 河合大1 市村正一1 高橋雅人1 相川大介1

所属機関: 1杏林大学医学部整形外科

ページ範囲:P.203 - P.207

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 腰椎椎間板ヘルニアに対する手術療法の1つとしてレーザーを用いた椎間板減圧術(以下PLDD)がある.これは局所麻酔下で経皮的に罹患椎間板正中にレーザー針を刺入し,髄核を照射,蒸散することによってヘルニアによる神経根に対する圧を減圧し除痛を図るものである.本法は,一見理想的な方法であるが,効果には限界があり,副作用の報告も少なくない.今回,われわれは本法を行い術後の画像評価を行えた50例について報告した.手術成績は,JOAスコアの改善率で平均62%,優,良,可,不可の評価で良以上が66%であった.術後の画像評価では,X線像上の椎間板狭小は軽度で,MRI上の椎間板の信号低下は20%の症例にみられたが,成績には関与しなかった.神経合併症,感染例はなかった.PLDDは正しい手技で施行すれば安全で,保険適応はないが患者の期待に答えられる治療法の1つである.しかし,その適応はヘルニアならどれでもよいのではなくて,正中部のヘルニアがよい適応である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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