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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻4号

2007年04月発行

文献概要

臨床経験

関節リウマチにおける上位頚椎病変に対する後頭骨頚椎間固定術の治療成績

著者: 小圷知明1 石井祐信1 中條淳子1 両角直樹1 星川健1 小川真司1

所属機関: 1国立病院機構西多賀病院整形外科

ページ範囲:P.365 - P.369

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 関節リウマチにおける上位頚椎病変に対して後頭骨頚椎間固定術を行った44例(手術時平均年齢65歳)の治療成績を調査した.術後累積生存率は術後5年で79.8%,死亡時平均年齢は71歳であった.術後全例に痛み・脊髄症の改善を認めた.骨癒合率は91%で,偽関節例の1例で脊髄症が増悪し再手術を要した.術後中下位頚椎病変の発生による再手術率は12.5%で,特に後弯位固定例の治療成績が不良だった.本法施行例の生命予後・機能予後は良好で,脊髄症や保存的治療に抵抗性の後頭部痛に対しては積極的に手術を行ってよい.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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