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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻4号

2007年04月発行

文献概要

症例報告

化膿性脊椎炎に合併した感染性大動脈瘤の1例

著者: 高原啓嗣1 山中一浩1 森山徳秀1 橘俊哉1 岡田文明1 草野芳生1 糸原仁1 吉矢晋一1

所属機関: 1兵庫医科大学整形外科

ページ範囲:P.383 - P.386

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 われわれはメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染性の化膿性脊椎炎に感染性大動脈瘤を合併した1例を経験したので報告する.症例は58歳の男性で,主訴は腰下肢痛と発熱であった.入院時にはCRP 49.5mg/dl,白血球16,700μl と高値を示した.MRIにてL5/S1化膿性脊椎炎を認め,L3/4高位に径30mmの感染性大動脈瘤を合併していた.針生検術でMRSAを検出しバンコマイシンの点滴をするが効果なく,腰仙椎前方固定術施行後リネゾリドの点滴により炎症反応は陰性化した.今回われわれが経験したのは化膿性脊椎炎からの直接もしくは間接波及による感染性大動脈瘤と考えられ,化膿性脊椎炎の郭清と椎体間固定術が有効であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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