icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻5号

2007年05月発行

文献概要

連載 確認したいオリジナル・5

Brodie膿瘍か,Brodie骨膿瘍か

著者: 鳥巣岳彦1

所属機関: 1九州労災病院

ページ範囲:P.441 - P.441

文献購入ページに移動
 日整会誌に掲載されたBrodie膿瘍に関する最初の論文(1934年)は,松原順三先生の“所謂Brodie氏骨膿瘍ノ早期診断ニ就テ”であり,ドイツ語文献の論文名と同様,Knochenabszeβ骨膿瘍となっている.わが国の整形外科学教科書にも,神中正一:神中整形外科学(1940),三木威勇治:整形外科学入門初版(1951),片山良亮:小整形外科学総論(1960),天児民和:整形外科学(1960),いずれもBrodie骨膿瘍と記載されている.

 1832年のBrodieの原著は,10年以上にわたり時折起こる脛骨部の間欠的な腫脹と激痛に悩まされていた3症例の報告である.切断術が選択された1症例目の病理解剖結果は脛骨内の限局した膿の貯留であり,他の2症例は脛骨穿孔術で膿が確認されている.1845年のBrodieによるSt. George病院での“Abscess of the tibia”と題する臨床医への教育講演では,以下抜粋のように,軟部組織と同様に骨の中にも膿瘍が生じること,症状と経過が異なることが強調されている.臨床的着眼が素晴らしい.

参考文献

1)Brodie BC:An account of some cases of chronic abscess of the tibia. Medco-Chir Trans 17:239-249, 1832
2)Brodie BC:Lecture on abscess of the tibia. London Med Gazette XXXVI 1399-1403, 1845
3)松原順三:所謂Brodie氏骨膿瘍ノ早期診断ニ就テ.日整会誌 9:6-16,1934

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら