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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻6号

2007年06月発行

文献概要

誌上シンポジウム 整形外科疾患における痛みの研究

整形外科疾患の患者における慢性疼痛

著者: 笠井裕一1 松村好博1 明田浩司1 施徳全1 若林弘樹1 内田淳正1

所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科病態修復医学講座運動器外科学(整形外科)

ページ範囲:P.519 - P.522

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 痛みは,その持続時間によって,急性疼痛と慢性疼痛に分けられる.本稿では,まず慢性疼痛の定義,特徴,痛みの慢性化の機序,慢性疼痛の原因別分類について概説した.そして,モーズレイ性格テストを用いた慢性疼痛患者の神経症的傾向に関するわれわれの研究結果から,慢性疼痛の原因によって心理的・精神的変調の程度が異なることを示した.また,われわれは慢性疼痛患者の性格タイプを,自己治癒力希少型,自己治癒力空転型,自己治癒力潜在型,の3つに分類しており,その性格タイプ別の整形外科的な治療・アプローチ法について述べた.

参考文献

1)笠井裕一,竹上謙次,内田淳正:患者の性格と術後疼痛.整形外科 53:469-472,2002
2)笠井裕一,竹上謙次,内田淳正:脊椎疾患の手術患者における神経症的傾向.整形外科 54:329-331,2003
3)笠井裕一,荒木健太郎,竹上謙次,他:慢性腰痛患者の性格的特徴.骨・関節・靱帯 16:829-834,2003
4)Kasai Y, Takegami K, Uchida A:A study of patients with spinal disease using Maudsley Personality Inventory. Int Orthop 28:56-59, 2004
5)笠井裕一,竹上謙次,内田淳正:脊椎患者における術前スクリーニングとしてのモーズレイ性格テストの有用性.臨整外 39:589-593,2004
6)笠井裕一,岡本弘史,内田淳正:心因性疼痛を有する患者に対する整形外科的アプローチ.骨・関節・靱帯 18:873-876,2005
7)永田勝太郎:慢性疼痛.臨床と研究 74:2763-2767,1998
8)塩入俊樹:慢性疼痛(心因性):疼痛性障害を中心にして.痛みと臨床 1:403-416,2001
9)山下敏彦:痛みのメカニズム.整形外科 54:1325-1333,2003
10)山崎光章,畠山 登:器質的な病態が固定しているのに痛みを執拗に訴える患者.治療 85:2147-2151,2003
11)横田敏勝:慢性疼痛の生理.MB Med Reha 23:1-9,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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