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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻6号

2007年06月発行

文献概要

臨床経験

腰椎椎間板ヘルニアに対する椎間板内加圧注射―造影所見と臨床成績について

著者: 保坂雄大1 尾鷲和也1 尾山かおり1 桃井義敬1 加藤義洋1

所属機関: 1酒田市立酒田病院整形外科

ページ範囲:P.573 - P.578

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 椎間板内加圧注射の臨床成績について調査を行った.対象は薬物やブロック療法などの保存治療が無効な57例(男性36,女性21)で,平均50歳であった.発症から本注射までの期間は平均7.7週だった.透視下に健側から穿刺し,造影剤を注入後,生理食塩水を注入した.患肢への放散痛の有無を確認し,2方向で造影所見を評価した.治療効果は注射後約3週間で判定した.全57例中,著効17例(30%),有効24例(42%),無効14例(25%),悪化2例(4%)であった.著効・有効例はL4/5,sequestrationタイプで多く,患肢放散痛と罹患神経根の造影が同時に得られた11例では著効が9例であった.筋力や知覚の悪化した例はなく,安全・低侵襲であり,一般の保存治療に抵抗する場合の次なる治療手段になると考えられた.

参考文献

1)小林 茂,吉沢英造,中井定明・他:腰椎椎間板ヘルニアの自然縮小機序―病理組織像および電顕像による観察.整・災外 39:3-14, 1996
2)中村孝文,池田天史,千田治道・他:脱出椎間板の自然吸収と臨床的意義.臨整外 29:465-469, 1994
3)太田 進,吉田 徹,南場宏通・他:椎間板内加圧注射が有効であったextreme lateral lumbar disc herniaionの3例.臨整外 32:1367-1371, 1997
4)吉田 徹,浅野経生,井戸田 仁・他:腰部椎間板ヘルニアに対する椎間板内注射の効果.中部整災誌 34:813-814, 1991
5)吉田 徹,山根知哉:椎間板内注射の機械的作用効果について.中部整災誌 35:557-558, 1992
6)吉田 徹,南場宏道,笠井 勉・他:椎間板内加圧注射とヘルニア腫瘤内注射で治癒したextraforaminal lumbar disc hernia.中部整災誌 39:1045-1046, 1996
7)吉田 徹:椎間板内加圧注射療法.MB Orthop 16(9):87-96, 2003
8)湯田康正,瀬川泰彦:頚椎椎間板造影・椎間板内加圧注射療法.ペインクリニック 20:1047-1052, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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