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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻6号

2007年06月発行

文献概要

症例報告

両側遊離鼡径皮弁を用いて初期治療を行った手関節以遠デグロービング損傷の2例

著者: 松崎浩徳1 三輪仁2 成澤弘子3 登石聡1

所属機関: 1燕労災病院整形外科 2新潟県立新発田病院 3新潟手の外科研究所

ページ範囲:P.587 - P.592

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 手関節以遠のデグロービング損傷に対して,2枚の遊離鼡径皮弁の同時移植を行った2症例を報告する.症例1は46歳,男性で,プレス外傷であった.手関節以遠のデグロービングを認めたが橈尺骨動脈は温存されていた.遊離鼡径皮弁移植の後,wrap around flapと指間分離を行い,補助手として有用な手機能が得られた.症例2は38歳,男性で,ローラー外傷であった.橈尺骨動脈の断裂から手指骨壊死を生じ,骨延長による手指再建を行うも,不十分な機能獲得にとどまった.デグロービング損傷の被覆には2枚の遊離鼡径皮弁の同時移植が有用で,主軸動脈損傷の有無が予後を左右する.

参考文献

1)茨城邦夫:Degloving injury.整形外科MOOK 15,金原出版,東京,pp182-197,1980
2)近藤喜久雄,木野義武:上肢のdegloving injury.MB Orthop 9:19-27,1996
3)牧 裕,吉津孝衛,山本康行・他:母床の同一動脈を2度使用した組織移植.第23回日本マイクロサージャリー学会,1996
4)Murakami R, Fujii T, Tsutsui K, et al:Versatility of the thin groin flap. Microsurgery 17:41-47, 1996
5)Tajima T:Treatment of open crushing type of industrial injuries of the hand and forearm. J Trauma 14:995-1011, 1974

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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