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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻6号

2007年06月発行

文献概要

症例報告

転移性脊椎腫瘍との鑑別を要した多発性圧迫骨折の1例

著者: 東山礼治1 玉井浩2

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学 2JA静岡厚生連清水厚生病院

ページ範囲:P.607 - P.611

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 59歳,男性の多発性脊椎圧迫骨折の1例を報告する.患者は特に誘因なく激しい背部痛を訴えた.神経学的異常所見はなかった.単純X線像では多発性胸椎圧迫骨折を認めた.MRIにて胸椎,腰椎にT1強調像,T2強調像ともに低信号を示す領域がみられた.腫瘍マーカーおよび内科的全身検索にて異常は認めなかった.骨生検では造血細胞が大半を占めており,悪性疾患は否定された.疼痛管理にモルヒネを使用し,徐々に改善傾向を認め,5カ月後に疼痛はほぼ消失した.MRI所見は不均一に分布する赤色髄と考察した.

参考文献

1)江原 茂:転移性脊椎腫瘍の画像診断.関節外科 22:947-952, 2003
2)平泉 裕:類骨骨腫,骨芽細胞腫,好酸球性肉芽腫.脊椎脊髄 16:1183-1192, 2003
3)古矢丈雄,山崎正志,大河昭彦・他:好酸球性肉芽腫が疑われた小児頚椎破壊性病変の1例.臨整外 40:317-321, 2005
4)上谷雅孝:骨関節MRIのピットフォール―腫瘍と誤りやすい病変と見落とされやすい病変.CLINICIAN 52:1219-1226, 2005
5)前原忠行:脊椎・脊髄のMRI.南江堂,東京,173-176, 2003
6)薬師寺俊剛,米村憲輔,高木克公・他:好酸球性肉芽腫の臨床的検討.整形外科 47:311-314, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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