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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻7号

2007年07月発行

文献概要

連載 確認したいオリジナル・7

足底を指でくすぐっても確認できるBabinski反射

著者: 鳥巣岳彦1

所属機関: 1九州労災病院

ページ範囲:P.707 - P.707

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 医学部4年生は平成17年度から,全国共通の“共用試験”に合格しなければ,進学できなくなった.“共用試験”では学生の診察実技能力が他大学の教員によって評価される.診察法でBabinski反射は習熟すべき必須の診察手技である.「先がやや尖った鍵か安全ピンで,足裏の外側を踵から小趾に向かってこすり,遠位で母趾のほうに曲げる.母趾の基部までは擦らないがよい」とまでBabinski反射の調べ方が神経学の教科書に記載されている.

 整形外科実習にきた学生の前で,頚椎症性脊髄症患者の足裏を“くすぐり”,母趾が背屈する現象を示して“Babinski反射が陽性だよ”と教えても,“手技が違いますよ”といつも反発された.

 Babinskiが「ある種の神経疾患患者の足底の皮膚を刺激すると,健常者とは異なり,足趾が緩慢に中足骨に対して背屈する」との観察結果とその意義にかんする歴史的な発表を行ったのは1896年である.その2年後の論文の321頁には,「ある種の病的状態では,感度は劣るが足裏を“くすぐる”だけで母趾の背屈運動が起こる」ことが記載されている.

参考文献

Babinski, J:Du phénoméne des orteils et de sa valeur sémiologique. Sem. Med. 18:321-322, 1898
安藝基雄,万年 甫:バビンスキー足指現象について.内科 7:179-188,1961
岩田 誠:ババンスキーとその時代.Brain Med. 8:359-366,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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