icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻7号

2007年07月発行

文献概要

臨床経験

掌側ロッキングプレートを施行した背側転位型橈骨遠位端骨折の治療成績―本当によい治療法なのか?

著者: 森谷浩治1 大井宏之1 高橋勇二1 友利裕二1 斎藤英彦1

所属機関: 1聖隷浜松病院手の外科マイクロサージャリセンター

ページ範囲:P.719 - P.722

文献購入ページに移動
 掌側ロッキングプレートで内固定した背側転位型橈骨遠位端骨折55例55骨折を対象にX線形態計測,自動関節可動域,握力の推移について調査した.尺側傾斜,掌側傾斜,尺骨変異の整復位損失は,0°,0.7°,0.7mmであった.最終調査時までに,自動関節可動域は健側比で89~98%,握力は79%まで回復した.掌側ロッキングプレートは他覚的評価に優れていたが,手関節尺側部痛が8例に遺残し,決して自覚的評価に優れているわけではなかった.今後,さらに安心できる治療法へ確立していく必要がある.

参考文献

1)Aro HT, Koivunen T:Minor axial shortening of the radius affects outcome of Colles' fracture treatment. J Hand Surg〔Am〕 16:392-398, 1991
2)Lindau T:Treatment of injuries to the ulnar side of the wrist occurring with distal radial fractures. Hand Clin 21:417-425, 2005
3)森谷浩治,河路洋一,内山 徹・他:Condylar stabilizing法によるColles骨折治療後の手関節尺側部痛.整形外科 55:1655-1660, 2004
4)森谷浩治,大井宏之,高橋勇二・他:Colles骨折に対する掌側ロッキングプレート設置における側転位への対策.整形外科 57:1517-1521, 2006
5)Orbay JL, Fernandez DL:Volar fixation for dorsally displaced fractures of the distal radius:a preliminary report. J Hand Surg〔Am〕 27:205-215, 2002
6)Palmer AK:Triangular fibrocartilage complex lesions:a classification. J Hand Surg〔Am〕 14:594-606, 1989
7)斎藤英彦:橈骨遠位端骨折―解剖学的特徴と分類,治療法.整・災外 32:237-248, 1989
8)斎藤英彦:橈骨遠位端骨折(粉砕骨折の分類と治療).MB Orthop 13:71-80, 1990
9)高橋勇二,斎藤英彦,大井宏之・他:橈骨遠位端骨折不安定型に対するForteプレートを用いた背側固定の治療成績と適応.日手会誌 21:519-523, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら