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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻9号

2007年09月発行

文献概要

誌上シンポジウム 骨折治療の最新知見―小侵襲骨接合術とNavigation system

上肢変形治癒骨折に対するコンピュータ支援三次元矯正手術

著者: 香月憲一1 米田昌弘1 佐々木康介1 高岡邦夫1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学

ページ範囲:P.885 - P.892

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 CT検査機器,コンピュータやソフトの開発,進歩により三次元画像のイメージングが可能となり,変形治癒骨折に対するコンピュータ支援三次元矯正手術が可能となってきた.当教室では市販のソフトであるMagics®とMimics®(ともにMaterialise Japan社製)を用いた三次元シミュレーションと実物大立体模型による術前計画を行い,三次元的に正確な矯正手術を行うためのシステム開発を行っている.これまで上肢変形治癒骨折22症例に応用し,良好な成績を得た.本方法は正確な術前計画が行えるだけでなく,患者や家族への説明が容易であり,医学生や研修医への教育上有用など多くの利点がある.問題点として,設備にかかるコスト,計画通りの正確な手術を行うための何らかのナビゲーションシステムが必要などの点がある.これらの問題点を克服し,さらに開発が進めば,低コストで正確な矯正手術が行える有用な治療手段になる可能性を持っている.

参考文献

1)Athwal GS, Ellis RE, Small CF, et al:Computer-assisted distal radius osteotomy. J Hand Surg〔Am〕 28:951-958, 2003
2)Brown GA, Firoozbakhsh K, DeCoster TA, et al:Rapid prototyping:The future of trauma surgery? J Bone Joint Surg Am 85:49-55, Suppl. 4, 2003
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5)村瀬 剛,森友寿夫,菅本一臣・他:3D-カスタムメイドテンプレートを用いた上肢変形治癒骨折の治療.新OS-NOW 27:121-126, 2005
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8)米田昌弘,香月憲一,恵木 丈・他:手の外科における実物大立体模型の応用.日手会誌 22:258-260, 2005
9)米田昌弘,香月憲一,上村卓也・他:上肢変形治癒骨折に対するコンピュータ支援手術.日手会誌 23:624-627, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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