icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科42巻9号

2007年09月発行

文献概要

症例報告

Marfan症候群に伴う脊柱後側弯症の治療経験

著者: 野原亜也斗1 川上紀明1 宮坂和良1 辻太一1 小原徹哉1 安藤圭1 山元拓哉2

所属機関: 1名城病院整形外科脊椎脊髄センター 2鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科

ページ範囲:P.935 - P.940

文献購入ページに移動
 Marfan症候群に対する手術治療は,易出血性で心血管系異常を伴うため合併症発生率も非常に高い.筆者らは高度の脊柱後側弯(kyphosing scoliosis)を呈し,血液型がO型Rh(-)であったため治療に難渋した症例を経験したので報告する.症例は12歳6カ月の男児で胸椎カーブ81°,胸腰椎カーブ106°のダブルメジャーカーブを認め,側面像にて46°の後弯を認めた.手術は二期的に計画したが,術中出血の多さから三期的(前方―後方―前方矯正固定術)にせざるを得なかった.Marfan症候群の側弯手術は固定範囲が広く侵襲も大きい.またそのため術前の全身および脊柱変形の評価,また小児循環器科,麻酔科との連携が非常に重要である.

参考文献

1)DePaepa A, Devereux RB, Dietz HC, et al:Revised diagnostic criteria for the Marfan syndrome. Am J Med Genet 62:417-426, 1996
2)稲見州治,大谷 清,斉藤正史・他:Marfan症候群に伴う脊柱側弯症とその治療成績.臨整外 31:895-902,1996
3)Jones KB, Erkula G, Sponseller PD, et al:Spine deformity correction in Marfan syndrome. Spine 27:2003-2012, 2002
4)松原祐二,川上紀明,金村徳相・他:Marfan症候群に伴う脊柱変形に対する手術例の検討.脊柱変形 14:87-91, 1999
5)Silvestre MD, Greggi T, Giacomini S, et al.:Surgical treatment for scoliosis in Marfan syndrome. Spine 30:E597-E604, 2005
6)Sponseller PD, Sethi N, Cameron DE, et al:Infantile scoliosis in Marfan syndrome. Spine 22:509-516, 1997
7)Sponseller PD, Bhimani M, Solacoff D, et al:result of brace treatment of scoliosis in Marfan syndrome. Spine 25:2350-2354, 2000
8)高相晶士,北原 宏,南 昌平・他:Marfan症候群に伴う脊柱側弯症手術例の検討.脊柱変形 9:132-137, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら