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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科43巻1号

2008年01月発行

雑誌目次

巻頭言

第81回日本整形外科学会学術総会を開催するにあたって

著者: 三浪明男

ページ範囲:P.2 - P.4

 第81回日本整形外科学会学術総会を今年の5月22日(木)から25日(日)までの4日間,札幌市で開催いたします.ここ数年の学術総会は交通の便や会場の広さなどの関係で横浜市,神戸市で開催されることが多かったと思います.当初はこれらの都市での開催も考えましたが,私が親しくさせていただいている多くの先生そして同門の先生から地元・札幌市での開催を勧められたことと,幸いにして参加者を収容可能な近接した4つの施設を確保できることとなり,札幌市での開催を決意いたしました.昨年の中村孝志京都大学整形外科学教授が開催された第80回学術総会では,参加者が初めて7,000名を超えましたが,第81回学術総会においても7,000名以上の会員の先生が参加されても十分な広さが確保できております.本誌が先生方のお手元に届くころには演題の採用も決まり,プログラムもほぼ完成していると思います.

 さて,整形外科学講座が,東京大学・京都大学に開講されて一昨年で100年が経過いたしました.特に東京大学が主管した第79回学術総会では“次の百年へ”ということで,これまで日本から世界へ発信した特筆すべき業績についてのポスター展が開催され,まさしく次の百年へ向かっての新たなステップへと飛躍したこととなります.日本整形外科学会は22,000人余の会員数を擁し,内科,外科に次ぐ大きな学会となっております.しかし,2004年度からの臨床研修制度導入以来,新規会員数の減少,総会員数の伸びの鈍化が明瞭となってまいりました.高齢化社会が到来し今後ますます運動器疾患の増加が予測されるなか,日本整形外科学会会員数の相対的減少は,非専門領域の医師あるいは代替医療への依存を惹起しないかと不安を覚えなくもありません.

誌上シンポジウム 高齢者(80歳以上)に対する人工膝関節置換術

緒言 フリーアクセス

著者: 守屋秀繁

ページ範囲:P.6 - P.7

 言うまでもなく,近年,わが国は超高齢社会である.その中で80歳を過ぎて人工膝関節を希望する症例はそれほど多くはないとは言え,徐々に増加しているのも事実である.症例のほとんどは女性であり,これは女性のほうが長寿で,かつ心身ともに自立して生活しているケースが多いことにもよると思われる.

 高齢者の希望に応えるべく,内心ひやひやしながら手術をしているのが現実であるが,高齢者に人工膝関節置換術のような大手術をするためには術前の注意深い検査や,術後の合併症に対する迅速な対応など,内科,麻酔科を含めた全科的対応が必要である.それらは最近,特に目を見張るほど進歩しており,同時に人工膝関節自体も改良が加えられ,以前とは比較にならないほど術後成績が安定してきたことなどで,比較的安心して行えるようになった.

高齢者(80歳以上)に対する人工膝関節置換術の留意点

著者: 早川和恵 ,   中川研二

ページ範囲:P.9 - P.13

 高齢者に対する人工膝関節置換術(TKA)は,余命生活を自立させることができ満足される方法と考える.自験例の平均6年2カ月の経過でJOAスコアは改善し,日常生活動作(ADL)では完全な自立が51.4%(調査時平均87.5歳)に得られ,満足のいく結果であった.しかし高齢になるほど術後に合併症を引き起こしやすくリスクを伴う.術前から患者の合併症対策を図り,確実な手術を行い早期リハビリテーションにつなげることが患者のADL向上に結びつくと考える.現在,手術時間の短縮に努めつつ可能ならば低侵襲手術(MIS)で施行し,また両側罹患例は全身状態が良好であれば両側同日の手術を考慮している.

高齢者(80歳以上)に対する人工膝関節置換術の術後成績と問題点

著者: 曽田是則 ,   奥原淳史 ,   大坪晋 ,   田尻隆彦 ,   高田剛志 ,   西川公一郎 ,   石田治 ,   山崎啓一郎 ,   越智光夫

ページ範囲:P.15 - P.19

 当科における80歳以上の人工膝関節術(TKA)症例78膝(高齢群)の術後成績を,臨床評価として1)JOAスコア,2)可動域および屈曲達成率,3)術後在院日数を,X線学的評価として4)大腿脛骨角(FTA)を調査し,同時期に施行した80歳未満のTKA症例138膝と比較し検討した.さらに,高齢群に対しては,5)既往疾患および6)周術期合併症についても調査した.調査結果より,高齢群に対するTKAの術後成績は80歳未満と同等に良好であったことから,高齢者であってもTKAの適応は十分にあるものと考えた.

高齢者(80歳以上)に対する人工膝関節置換術での機種の選択―TKAかUKAか

著者: 助崎文雄 ,   宮岡英世 ,   中村正則 ,   熊本久大 ,   前田悠

ページ範囲:P.21 - P.28

 2002年7月~2006年12月に行った手術時年齢80歳以上の初回人工膝関節置換37例45関節について検討した.術前関節症の進行度はstage 2:2関節,stage 3:9関節,stage 4:26関節,stage 5:8関節であり,人工膝関節全置換(術)(total knee arthroplasty,TKA)はstage 4を中心に38関節,人工膝単顆置換(術)(unicompartmental knee arthroplasty,UKA)はstage 3を中心に7関節に行った.短期臨床成績であるが,高齢者に対する人工膝関節置換手術は生活機能の改善面からも有効であった.UKAは,高齢者に対し低侵襲に行い得る手術法であり,適応を厳守すれば好成績が期待できる.

高齢者(80歳以上)に対する両側同時(同日)人工膝関節置換術の経験

著者: 藤井唯誌 ,   近藤誠 ,   東隆司 ,   北川洋 ,   西尾直行 ,   山本博之 ,   森田健三 ,   林谷聖子

ページ範囲:P.29 - P.32

 80歳以上の高齢者に人工膝関節置換術を施行した.両側42例,片側29例に対し術後リハビリテーション到達時期〔下肢伸展挙上(SLR),起立歩行,ステッキ歩行,階段昇降〕,術後出血量,CRPの経時的変化,および合併症の有無について比較した.術後リハビリテーションは,両群間に有意差なく遂行できた.両側群は,片側群の約1.5倍の出血量であったが,トラネキサム酸注入により減少させることができた.CRPは術後2週後を除いて有意差はなく,重篤な周術期合併症は認めなかった.早期QOL改善のために術前に全身状態の精査をおこない,高齢者でも両側同日手術を考慮すべきである.

高齢者(80歳以上)に対する人工膝関節置換術の術後成績―農業従事者と非従事者の比較

著者: 後藤俊彦

ページ範囲:P.33 - P.37

 人工膝関節置換術(以下TKA)を行った80歳以上の農業従事者と非従事者の両群間における術後成績について比較検討した.両群ともに術後JOAスコアの改善は良好で,X線像上明らかな弛みはなかった.術後の活動性の改善は農業従事群でより良好であり,非従事群では活動性低下例が散見された.術後内科的・心療内科的合併症の発症,意欲の低下が活動性低下の原因であった.80歳以上の高齢者に対するTKAは術後の満足度も高く,有効な治療法であるが,合併症の発症,意欲の低下を食い止める確実な方法はなく,医師・家族・コメディカルによる総合的なアプローチが必要である.

論述

前方進入法による人工股関節置換術施行例の術前術後の外転筋力の定量的評価

著者: 老沼和弘 ,   白土英明 ,   斉藤康文

ページ範囲:P.41 - P.43

 前方進入法による人工股関節置換術(THA)を施行し,術前後での股関節外転筋力を定量的に評価した.対象は2005年5月から2006年8月までに当院で施行した初回のTHA 152関節中,術前,術後1週,術後1カ月,術後3カ月に両側の股関節外転筋力を測定し得た症例である.筋力の推移は,術前0.53,術後1週0.49,術後1カ月0.66,術後3カ月0.83(Nm/kg)で,術後1週で有意に低下せず,術後1カ月から有意に増加に転じた.また,対健側比では術後3カ月で同等まで回復した.これは,本法の低侵襲性を定量的に裏付けた結果と考えた.

手術手技/私のくふう

C2棘突起付着筋を温存したアプローチによる上位頚椎後方固定術

著者: 高橋勇一朗 ,   上田誠司 ,   加藤匡裕 ,   中村光一 ,   谷戸祥之 ,   海苔聡 ,   白石建

ページ範囲:P.45 - P.50

 われわれは軸椎棘突起に付着する頚半棘筋と多裂筋を温存した上位頚椎後方固定術を施行し,良好な成績を得ることができたので報告する.対象は,関節リウマチによる上位頚椎病変に対して手術適応のあった5例である.白石の筋温存型軸椎後方アプローチを用いて軸椎棘突起へ付着する深層伸筋群を確実に同定した後,頚半棘筋と多裂筋を完全に温存した状態で,C2椎弓根スクリューによる後頭環軸椎後方固定を施行した.全例で症状は改善し,特記すべき術後合併症は生じなかった.

連載 医者も知りたい【医者のはなし】・27

オランダ人・ブールハーフェ(1668-1738)Hermann Boerhaave 臨床医学・ベッドサイド教育の父

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.52 - P.54

まえがき

 今回は18世紀初頭に臨床家として,また医学教育者・ベッドサイド教育の創始者として活躍したオランダ・ライデン大学内科教授・ブールハーフェ(Hermann Boerhaave 1668-1738)のことを述べる.オランダ語では,“V”は,“F”の発音である.彼は,優れた臨床教育を行った最初の人物とされており,ライデン大学を特に医学校として名を高めた.また,弟子を通じてエディンバラ大学,ウィーン大学などの医学教育に影響を及ぼし,ドイツでは近代的医学教育法の創始者と尊敬されている.

 米国の外科教科書を読んでいると,嘔吐に起因する食道破裂を“Boerhaave syndrome”と記載してある.嘔吐で起こる胃小弯上部の粘膜の裂傷と出血は“Mallory-Weiss syndrome”として医師の間ではよく知られているが,残念ながらブールハーフェの食道破裂はあまり知られていない.

 米国では,“Boerhaave”を“ベアハーヴ”と発音するが,日本では江戸時代から知られた医師の名前で,“ブールハーへ”と発音され,“歇爾満(へるまん)・蒲爾花歇(ぶーるはーへ)”と彼の名前が漢字で書かれている.江戸時代の後期に江戸で開業し,緒方洪庵の師である坪井信道の訳した「蒲爾花歇,萬病治準」の21巻があり,また京都で開業していた新宮凉庭(しんぐうりょうてい)の訳した「医学論」がある.このように“蒲爾花歇”は江戸の蘭学に大きな影響を与えている.

臨床研修医のための整形外科・13

脊髄の外傷―救急室編

著者: 高橋正明

ページ範囲:P.56 - P.60

 脊椎損傷は骨・軟骨成分である椎体や椎間板などの損傷であって,脊髄の損傷を合併していることを意味している言葉ではありません.脊髄損傷とは,外傷によって脊髄が傷められ麻痺を来した状態を言います.今回取り上げる脊椎の外傷では,初診時に麻痺がなくても,その後に麻痺が生じてくる可能性があるので慎重に対応してください.

小児の整形外科疾患をどう診るか?─実際にあった家族からの相談事例に答えて・9

骨形成不全症

著者: 亀ヶ谷真琴

ページ範囲:P.62 - P.63

骨形成不全症

 はじめまして.私には,骨形成不全症(軽症と診断されています)の小学3年・8歳の娘がいます.先週,整形外科の先生から「骨を強くする薬の投与も考えてみようか? 投与にあたっては,点滴になるから入院になるし,その入院期間や,投与日数,投与間隔,副作用など小児科の先生に話を聞いてみましょう」という話をされて,小児科を受診しました.ところが,小児科の先生からは,「骨を強くする薬で,点滴で投与するものはない.飲み薬で骨を強くする薬はあるけれど,子供にはまだ認可されていない.点滴の薬があるって言った整形外科の先生が,間違っている」と言われてしまいました.先生達の言っていることが合わないので不安になってしまいました.診察を受けているのは,大学病院です.小児科受診後は,まだ整形外科の先生の診察は受けていません.次の診察日までに自分でも調べたくてメールさせていただきました.

 実際には,点滴による骨を強くする薬は,あるのでしょうか? 骨形成不全症について調べていると「アレディア点滴」と言うものがありますが,この薬が骨を丈夫にするものなのでしょうか? 娘は,1995年10月2日生まれ 8歳9カ月,青色強膜があり,身長126.7cmです.現在までに,骨折回数9回(右脛骨6回・右大腿骨2回・左前腕骨1回)です.

 お忙しいところ申し訳ございませんが,ご回答をいただけたらと思います.どうぞよろしくお願い致します.

臨床経験

腰部脊柱管狭窄症に対する片側進入両側除圧術の除圧椎間数別成績

著者: 武井寛 ,   橋本淳一 ,   笹木勇人 ,   千葉克司 ,   杉田誠 ,   仲野春樹 ,   長谷川浩士 ,   荻野利彦

ページ範囲:P.65 - P.72

 腰部脊柱管狭窄症に対して同一執刀医が直視下片側進入両側除圧術を行った42例の成績を除圧椎間数別に検討した.平均手術時間ならびに出血量は,それぞれ1椎間で78.8分,44.8g,2椎間で118.7分,150.5g,3椎間で157分,373.0gであった.術前,術後のJOAスコアならびに改善率は1椎間で平均14.1点,25.2点,77.3%,2椎間で11.7点,19.9点,46.8%,さらに3椎間で10.8点,18.6点,40.2%であった.今後多椎間罹患例における術中出血の抑制と,術後成績の向上を図るための対策が必要である.

症例報告

脊髄係留症候群に対する一椎間固定による脊柱短縮術の経験

著者: 田中直 ,   末綱太 ,   望月充邦 ,   斎藤啓 ,   田中利弘 ,   田中滋之

ページ範囲:P.73 - P.77

 脊髄係留症候群(tethered cord syndrome)に対する手術療法としては,国分や田中らはL1椎体を部分切除し,Th12-L2を二椎間で後方固定する脊柱短縮術(untethering)を報告している.今回われわれはこの方法を応用し,L1椎体を部分切除し,L1-L2を一椎間で後方固定する脊柱短縮術を施行し,良好な経過をたどった1例を経験したので報告する.本法は国分らの手術法と比較してより侵襲が少なく,脊髄係留症候群に対する手術療法として有効な手術法となりうると期待される.

重症睡眠時無呼吸症候群を合併したリウマチ性高度環軸椎垂直亜脱臼の1例

著者: 赤木龍一郎 ,   丹野隆明 ,   安宅洋美 ,   品田良之 ,   飯田哲 ,   河本泰成 ,   佐野栄 ,   藤塚光慶

ページ範囲:P.79 - P.83

 患者は71歳の女性で,ムチランス型関節リウマチ(RA)であった.環軸椎高度垂直亜脱臼による延髄・上位頚髄の高度圧迫がみられ,ポリソムノグラフィでは術前無呼吸低呼吸指数(AHI)40.3回/時で閉塞性要因主体の重症睡眠時無呼吸症候群(SAS)を呈した.術前の頭蓋直達牽引による垂直方向の整復のみではSASは改善されなかったが,後頭骨頚胸椎後方固定術により頭頚移行部後弯矯正を施行し,術後5カ月でAHI 16.4回/時と良好に改善した.本症例のSASにおいては頭頚移行部の後弯矯正,固定による上気道閉塞および延髄圧迫の改善が重要であったと考えた.

脊髄症を呈した先天性頚椎後弯症の1例

著者: 許斐恒彦 ,   石井賢 ,   小川祐人 ,   高石官成 ,   中村雅也 ,   松本守雄 ,   戸山芳昭 ,   千葉一裕

ページ範囲:P.85 - P.90

 脊髄症を呈した先天性頚椎後弯症の1例を報告した.症例は1歳9カ月の女児で,運動発達障害と短頚を主訴に来院した.単純X線像にてC6を頂椎とする著明な後弯変形を,MRIでは頂椎による脊髄の圧迫を認めた.先天性頚椎後弯症の診断にて頭蓋直達牽引後に一期的前方除圧固定術と後方固定術を施行した.手術は前側方から進入しC5,6椎体部分切除による脊髄の除圧を行い,チップ状の自家骨移植を施行した.後方にも十分な自家骨を移植した.術後は1カ月間の頭蓋直達牽引を行い後弯のさらなる矯正を試みた.本症例は体が小さく,C2からC7まで連続する二分脊椎を認めたため,一塊とした骨移植や内固定材の使用は困難であった.チップ状の骨移植と術後直達牽引により緩徐な後弯矯正と良好な骨癒合を得た.

初診時に特異な頚部過伸展位を呈した小児頚椎椎間板石灰化症の1例

著者: 加藤宗一 ,   鈴木和広 ,   川上寛 ,   浦田士郎

ページ範囲:P.91 - P.95

 症例は6歳の男児で,初診時に頚部痛,頚部運動制限,発熱を呈した.外傷の既往はなく,上気道炎や髄膜炎などの感染症も否定的であった.神経学的所見は下肢に軽度の深部腱反射亢進を認めるのみであった.単純X線写真にて,C6-7,C7-Th1椎間板に石灰化を認めた.頚部安静,グリソン牽引にて保存的に治療した.9日目には疼痛が改善し,約3週間で頚部運動制限は改善した.発症から約1年後には,単純X線写真上で石灰化は消失した.

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あとがき フリーアクセス

著者: 高岸憲二

ページ範囲:P.102 - P.102

 今年は秋の気配を感じたと思ったら急に寒くなり,ゆっくり紅葉を楽しむ暇もなく,大学からみえる谷川岳はうっすらと雪化粧をしています.

 巻頭言で第81回日本整形外科学会会長の三浪明男教授は日整会総会のテーマとして「整形外科の未来を拓く」を掲げられ,昨今の医療環境の厳しい状況により医療全体が萎縮傾向にあり,整形外科も例外でないことから整形外科医療のおかれた現状から未来に向け,先端的研究や新しいアイディアに満ちた先進的な治療法の発表と教育研修で,より質の高い整形外科医の養成と社会への貢献を達成したいと述べられています.先進的な治療法の1つに再生医療があり,整形外科をはじめ多くの領域で再生医療の研究が進められていますが,人の皮膚細胞などに複数の遺伝子を組み込んで各種の組織のもとになる万能細胞(人工多能性幹細胞=iPS細胞)をつくることに,京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授らが成功したことは記憶に新しいトピックでした.山中教授は元整形外科医であったと聞いて整形外科医の分化能力(?)の高さにビックリしています.米国のウィスコンシン大も同様の成果を発表しています.人間の体細胞から万能細胞ができたことで,臓器や組織を補う再生医療が現実味を帯びてきました.その後,貧血症のマウスの皮膚細胞から作製したiPS細胞の中にある貧血の原因遺伝子を健康な遺伝子と組み換えて造血幹細胞に分化させ,貧血の治療に成功しています.がん化などこれから克服すべき問題もありますが,今後軟骨再生など多くの整形外科領域の再生医療にこの技術が応用される日が来ることを期待しています.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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