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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻1号

2008年01月発行

文献概要

手術手技/私のくふう

C2棘突起付着筋を温存したアプローチによる上位頚椎後方固定術

著者: 高橋勇一朗1 上田誠司2 加藤匡裕1 中村光一1 谷戸祥之3 海苔聡4 白石建5

所属機関: 1済生会宇都宮病院整形外科 2済生会横浜市南部病院整形外科 3防衛医科大学校整形外科 4平塚市民病院整形外科 5東京歯科大学市川総合病院整形外科

ページ範囲:P.45 - P.50

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 われわれは軸椎棘突起に付着する頚半棘筋と多裂筋を温存した上位頚椎後方固定術を施行し,良好な成績を得ることができたので報告する.対象は,関節リウマチによる上位頚椎病変に対して手術適応のあった5例である.白石の筋温存型軸椎後方アプローチを用いて軸椎棘突起へ付着する深層伸筋群を確実に同定した後,頚半棘筋と多裂筋を完全に温存した状態で,C2椎弓根スクリューによる後頭環軸椎後方固定を施行した.全例で症状は改善し,特記すべき術後合併症は生じなかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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