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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻1号

2008年01月発行

文献概要

症例報告

初診時に特異な頚部過伸展位を呈した小児頚椎椎間板石灰化症の1例

著者: 加藤宗一1 鈴木和広2 川上寛3 浦田士郎2

所属機関: 1岐阜社会保険病院整形外科 2愛知厚生連安城更生病院整形外科 3川上内科整形外科

ページ範囲:P.91 - P.95

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 症例は6歳の男児で,初診時に頚部痛,頚部運動制限,発熱を呈した.外傷の既往はなく,上気道炎や髄膜炎などの感染症も否定的であった.神経学的所見は下肢に軽度の深部腱反射亢進を認めるのみであった.単純X線写真にて,C6-7,C7-Th1椎間板に石灰化を認めた.頚部安静,グリソン牽引にて保存的に治療した.9日目には疼痛が改善し,約3週間で頚部運動制限は改善した.発症から約1年後には,単純X線写真上で石灰化は消失した.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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