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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻10号

2008年10月発行

文献概要

誌上シンポジウム 発育期大腿骨頭の壊死性病変への対応

小児大腿骨頭壊死に対する血管柄付き腸骨移植の経験

著者: 堀内統1 関谷勇人1 和田郁雄1 若林健二郎1 大塚隆信1

所属機関: 1名古屋市立大学整形外科

ページ範囲:P.973 - P.977

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 小児における大腿骨頭壊死は比較的稀な病態である.成人の特発性大腿骨頭壊死に対しては様々な関節温存手術が考案され一定の成績を残しており,また関節温存がかなわなかった場合には人工関節置換術で対応可能である.しかし小児大腿骨頭壊死に対する統一された治療手段はない.人工股関節置換術が躊躇される小児大腿骨頭壊死に対しては最大限関節温存を目指すべきであろう.今回,当施設で施行した観血治療後の経過について述べるとともに術式選択について検討した.血管柄付き骨移植術のうち遊離腓骨術は血管吻合のリスクを伴うとの理由で,われわれは血行状態のより安定している有茎で,移植可能な腸骨のうち骨への血流の安定している深腸骨回旋動脈を用いた腸骨移植を使用している.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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