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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻10号

2008年10月発行

文献概要

誌上シンポジウム 発育期大腿骨頭の壊死性病変への対応

思春期の大腿骨頭壊死症に対する杉岡式回転骨切り術2例の短期成績

著者: 滝川一晴1 田中弘志1 岡田慶太1 芳賀信彦2 中村茂3

所属機関: 1静岡県立こども病院整形外科 2東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚・運動機能医学講座リハビリテーション医学分野 3帝京大学整形外科

ページ範囲:P.979 - P.982

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 成人では大腿骨頭壊死症に対する杉岡式回転骨切り術の適応や治療成績は確立されているが,小児では適応や治療成績は確立されていない.大腿骨頭すべり症後とステロイド性各1例の思春期の大腿骨頭壊死症に対して前方回転骨切り術を行った.成人では術後圧潰を生じやすい条件(術後X線正面像健常部占拠率34%未満,ステロイド性では1日最大ステロイド使用量30mg以上)を有していたが,2例とも術後圧潰は生じなかった.したがって,回転骨切り術は思春期の大腿骨頭壊死症に対して成人より幅広い適応を有している可能性がある.

参考文献

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2)印南 健,中村 茂,大塚一寛・他:大腿骨頭壊死症に対する杉岡式回転骨切り術.成績不良例の検討.Hip Joint 27:91-94,2001
3)Miyanishi K, Noguchi Y, Yamamoto T, et al:Prediction of the outcome of transtrochanteric rotational osteotomy for osteonecrosis of the femoral head. J Bone Joint Surg Br 82 4:512-516, 2000
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5)中村 茂,松田健太,新井規之・他:病型C1およびC2の特発性大腿骨頭壊死症に対する骨切り術.Hip Joint 30:426-429,2004
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7)杉岡洋一,佛淵孝夫:大腿骨頭すべり症に対する大腿骨頭前方回転骨切り術(会).日整会誌 63:S36,1989
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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