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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻10号

2008年10月発行

文献概要

臨床経験

整形外科で初めて癌と診断された症例の臨床的検討―癌を見逃さないための注意点

著者: 武田明1 菊地臣一2 鹿山悟1 荒井至1 近内泰伸1 福田宏成1 市地賢治1 田地野崇宏2

所属機関: 1脳疾患研究所附属総合南東北病院整形外科 2福島県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1035 - P.1038

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 既往歴のない癌患者が整形外科を受診して約0.05%(20/37,927例)の頻度で,癌と診断されていた.内訳は,骨髄腫が7例と内臓癌が13例であった.病期は,骨髄腫7例中4例が病期Ⅲの進行期であった.内臓癌13例では,全例が他臓器に転移を有するⅣ期であった.初診時症状は,癌性疼痛が17例,癌に関連しない症状が3例であった.診断時に17例中13例(76%)に癌性疼痛を想起させる強い疼痛,安静時痛,あるいは夜間痛が認められた.残る4例(24%)は,消炎鎮痛薬でコントロールされており,疼痛の性状から癌の存在は疑われなかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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