icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻10号

2008年10月発行

文献概要

臨床経験

脊髄除圧術後の機能回復期における歩行能力改善経過と下肢協調運動障害―脊椎腫瘍による胸髄圧迫性対麻痺例での検討

著者: 八幡徹太郎12 前田眞一1 川原範夫2 村上英樹2 出村諭2 土屋弘行2 富田勝郎2

所属機関: 1金沢大学附属病院リハビリテーション部 2金沢大学整形外科

ページ範囲:P.1039 - P.1045

文献購入ページに移動
 脊髄硬膜外病変による亜急性脊髄圧迫のため対麻痺・歩行困難となった患者では,脊髄除圧術後において下肢筋力が十分回復しても,それと同時には歩行可能とならないことが多い.本研究では,脊椎腫瘍による胸髄圧迫性対麻痺22例を対象に,後方視的に脊髄除圧術後6カ月までの歩行能力,筋力,協調運動障害(痙性,運動失調)の経過を調べた.その結果,下肢筋力の回復は術後平均1カ月に対し,実用歩行達成は術後平均3カ月であった.筋力回復後には失調歩行の持続例が多かった.運動失調のタイプは後索性と非後索性が半々であった.

参考文献

1)Ditunno JF, Young W, Donovan WH, et al:The international standards booklet for neurological and functional classification of spinal cord injury. Paraplegia 32:70-81, 1994
2)García-Moncó C, Quintana F, Berciano J:Epidural thoracic spinal cord metastasis presenting with cerebellar gait ataxia. Surg Neurol 28:316-317, 1987
3)Hainline B, Tuszynski MH, Posner JB:Ataxia in epidural spinal cord compression. Neurology 42:2193-2195, 1992
4)飯田尚裕,浅野 聡,木家哲郎・他:慢性脊髄圧迫による両下肢完全麻痺の術後回復パターン.日脊障医誌 16:142-143, 2003
5)Karp SJ, Ho RTK:Gait ataxia as a presenting symptom of malignant epidural spinal cord compression. Postgrad Med J 62:745-747, 1986
6)中村隆一,斉藤 宏:臨床運動学.第2版.pp210-219,医歯薬出版,東京, 1995
7)田崎義昭,斉藤佳雄:ベッドサイドの神経の診かた.第14版.pp55-56,南山堂,東京, 1991
8)田崎義昭,斉藤佳雄:ベッドサイドの神経の診かた.第14版.pp126-140,南山堂,東京, 1991
9)八幡徹太郎,富田勝郎,川原範夫:対麻痺を伴う転移性脊椎(胸椎)腫瘍例の除圧固定術後の歩行能力回復に関する検討とリハビリテーション.日パラ医誌 15:150-151, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら