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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻11号

2008年11月発行

文献概要

誌上シンポジウム 外傷性肩関節脱臼

外傷性肩関節脱臼症例にみられた機能的問題点の検討

著者: 筒井廣明1

所属機関: 1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院整形外科

ページ範囲:P.1093 - P.1097

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 外傷性肩関節脱臼症例の機能的な問題点を検討する方法として,機能的なX線撮影法であるScapula-45撮影法とT-view撮影法を用いた.その結果,肩甲骨の上方回旋機能低下が73.9%と最も多く,次いで肩外転角度の減少が73.9%と続く.さらに,肩甲骨と鎖骨の挙上制限が約60%を占め,腱板の機能低下や胸郭の可動性低下が約50%であった.脱臼は上腕骨頭が関節窩から逸脱する状態であるので,今回の結果から,上腕骨の動きに対して,肩甲骨,鎖骨,体幹が機能的に対応できるようにすることが肩関節脱臼の再発防止には必要と結論した.

参考文献

1)Capandji IA:第1章 肩.カパンディ関節の生理学.第6版,医歯薬出版,東京,48-49,2006
2)遠藤 優,山口光國,筒井廣明・他:肩関節挙上角度の変化における胸郭の動き.理学療法学 23:287, 1996
3)Fung M, Kato S, Barrance PJ, et al:Scapular and clavicular kinematics during humeral elevation:A study with cadavers. J Shoulder Elbow Surg 10:278-285, 2001
4)筒井廣明,山口光國,山本龍二・他:腱板の客観的レ線撮影法―「Scapula45撮影法」について.肩関節 16:109-113, 1992
5)筒井廣明,三原研一,鈴木一秀・他:外傷性肩関節脱臼症例に見られた機能的問題点の検討.肩関節 32:245-248, 2008
6)山口光國:肩不安定症に対する手術療法と理学療法.理学療法 698-705,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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