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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻11号

2008年11月発行

文献概要

臨床経験

鎖骨遠位端骨折におけるtension band wiringとScorpion plateの比較

著者: 見目智紀1 小笠原明1 丸田哲郎1 松戸隆司1 小野豊1

所属機関: 1公立長生病院整形外科

ページ範囲:P.1121 - P.1124

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 鎖骨遠位端骨折に対し,肩鎖関節に干渉するtension band wiring 7肩と,干渉しないScorpion plate 11肩について臨床成績を比較検討した.骨癒合は全例に認められ,最終観察時肩関節可動域は両群に有意差がなかった.Tension band wiring群では肩鎖関節骨性変化が7肩中6肩に認められた.内固定具抜去前の疼痛(JOAスコア)はScorpion plate群が有意に少なかった.Scorpion plateは術後早期に社会復帰を望む患者にとって有用な固定方法と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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