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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻12号

2008年12月発行

文献概要

検査法

電気生理学的手法を用いた腰椎椎間孔外狭窄病変の新しい診断法

著者: 岩﨑博1 山田宏1 吉田宗人1 遠藤徹1 中尾慎一1 南出晃人1 中川幸洋1 河合将紀1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科学

ページ範囲:P.1193 - P.1198

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 本研究の目的は腰椎椎間孔外狭窄病変の新しい診断法を確立することである.対象はわれわれの考案した電気生理学的手法による評価を行った21症例である.手術に先立ち,透視下に第5神経根の椎間孔出口部に刺入した針電極から電気刺激を行い,前脛骨筋から導出した複合筋活動電位を用いて,その遠位潜時についての検討を行った.各種画像検査および手術所見から確定診断を得た椎間孔外狭窄症例7例における障害側の潜時は15.2~55.9ms(平均22.0ms)であるのに対し,脊柱管内狭窄のみの症例では12.0~15.6ms(平均13.8±1.0ms)であった.ROC曲線(receiver operative characteristic curve)で求めたカットオフ値は15.2msであることから,腰椎椎間孔外狭窄の新しい診断基準として第5腰神経根電位の遠位潜時(L5-DML:distal motor latency)15.2ms以上をわれわれは提唱したい.

参考文献

1)安藤宗治,延與良夫,岡田基宏・他:SNAPを利用した腰椎椎間孔部狭窄症の診断の検討.脊髄機能診断学 27:70-73, 2005
2)久野木順一,蓮江光男,真光雄一郎・他:腰椎椎間孔部神経障害におけるMRIの有用性と限界.臨整外 27:503-511, 1992
3)山田 宏:failed back surgery syndromeの発生を予防するための脊髄神経根の画像診断.日本脊髄障害医学会雑誌 20:40-41, 2007
4)山田 宏,吉田宗人,木戸輝照・他:脊髄神経根の3次元MRI.脊椎脊髄 21:115-121, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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