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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻2号

2008年02月発行

文献概要

症例報告

神経根障害を引き起こした第4腰椎上関節突起陳旧性骨折と思われる1例

著者: 五嶋謙一1 森川精二1 南部浩史1

所属機関: 1金沢市立病院整形外科

ページ範囲:P.175 - P.178

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 症例は,左殿部から大腿部の疼痛に対して9カ月間の保存療法が奏効せず入院となった25歳の男性である.CTで左L4上関節突起陳旧性骨折が疑われた.また左L4神経根ブロックで疼痛の再現性と消失を認めた.以上から偽関節骨片が左L4神経根を圧迫していると考え,内視鏡下に骨片を摘出した.術直後から症状は消失し職場復帰している.脊椎内視鏡手術は,腰椎後方要素を十分に温存でき,本症例においても,椎間関節への侵襲を最小限にとどめた.このため,術後不安定性が出現する可能性は低いと考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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