icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻3号

2008年03月発行

文献概要

症例報告

薄筋腱によって生じた弾発膝の1例

著者: 高木陽平1 八木正義1 吉矢晋一1

所属機関: 1兵庫医科大学整形外科

ページ範囲:P.281 - P.284

文献購入ページに移動
 薄筋腱による弾発膝の症例を経験したので報告する.症例は30歳の女性で,主訴は左膝関節の弾発現象である.膝関節約30°屈曲位で後内側に弾発現象が認められ,その際に疼痛の訴えがあった.臨床所見や画像所見からハムストリング腱による弾発と診断し手術を行った.術中に薄筋腱が大腿骨内側顆部で弾発していることを確認し,同部で薄筋腱の切離を行った.術後に弾発現象は消失し,術後1年の現在,日常生活に問題なく経過している.弾発現象の原因として,半月板などの関節内因子以外に,腱などによる関節外因子を念頭に置く必要がある.

参考文献

1)Gaine WJ, Mohammed A:Osteophyte impingement of the popliteus tendon as a cause of lateral knee joint pain. The Knee 9:249-252, 2002
2)林 誠之,金谷整亮,畑 幸彦・他:大腿二頭筋腱による弾発膝の1例.整形・災害外科 36:627-630,1993
3)伊藤俊一,山田 均,松井寿夫・他:半月板以外の因子による弾発膝について.整・災外 31:401-406,1988
4)Kissenberth MJ, Wilckens JH:The snapping biceps femoris tendon. Am J Knee Surg 13:25-28, 2000
5)Lyu S, Wu J:Snapping syndrome caused by semitendinosus tendon. J Bone Joint Surg Am 71:303-305, 1989
6)中嶋寛之,田中 秀,二瓶隆一・他:腱性弾発膝について.整形外科 21:264-269,1970
7)津村暢宏,坂田敏郎,高田正三・他:TKR後の腱性弾発膝の2例.関西関節鏡・膝研究会誌 3:21-25

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら