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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻4号

2008年04月発行

文献概要

誌上シンポジウム 骨粗鬆症性脊椎骨折の病態

骨粗鬆症性椎体骨折後偽関節発生に関与する予後不良因子について―多施設前向きコーホート研究

著者: 中村博亮1 辻尾唯雄2 寺井秀富2 星野雅俊2 松村昭2 加藤相勲1 鈴木亨暢2 高山和士2 高岡邦夫2

所属機関: 1大阪市立総合医療センター整形外科 2大阪市立大学大学院医学研究科整形外科

ページ範囲:P.309 - P.314

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 関連27施設において65歳以上の骨粗鬆症性椎体骨折例を登録し,6カ月後の予後を検討した.登録時に疼痛部位の単純X線とルーチンMRIを施行した.6カ月後に症例を偽関節症例群と骨癒合症例群に分類し,登録時の画像的所見を比較検討した.対象症例は150例で,6カ月後のX線像で骨癒合群が129例に,偽関節が21例にみられ,偽関節への移行率は14.0%であった.登録時のMRI T2強調画像で高輝度限局型が最も偽関節への移行率が高く,次いで低輝度広範型が高かった.また椎体後壁損傷がある症例では,ない症例に比較して偽関節へ移行しやすかった.

参考文献

1)福田文雄,大塚弘剛,益本真太郎・他:治療開始時期の違いによる骨粗鬆症性椎体骨折の予後―疼痛・椎体変形・偽関節の推移.別冊整形外科 50:117-119, 2006
2)Hasegawa K, Homma T, Uchiyama S, et al:Vertebral pseudoarthrosis in the osteoporotic spine. Spine 23:2201-2206, 1998
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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