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誌上シンポジウム 骨粗鬆症性脊椎骨折の病態
結語
著者: 高橋啓介1
所属機関: 1埼玉医科大学病院整形外科・脊椎外科
ページ範囲:P.331 - P.331
文献購入ページに移動本症の病態で重要な問題の一つが椎体偽関節の発生である.中村らの調査では,6カ月以上観察した例の14.0%に偽関節が発生したと報告している.この頻度は本邦における他の報告と同等の頻度であり,偽関節の発生は稀ではなく一定の頻度で生じていることになる.また椎体後壁損傷例などで偽関節へ移行する比率が高いと報告した.さらに清水らは偽関節発生の予測に造影MRIが有効であったと報告している.このように偽関節がどのような場合に生じやすいかは,以前からの知見を含めて,ある程度明らかになってきている.今後は,その発生リスクが高い症例に対して,どのようにすればその発生を予防できるかが課題となる.
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