icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻4号

2008年04月発行

文献概要

論述

進行期・末期変形性股関節症に対する外反骨切り術の長期成績

著者: 佐々木幹1 石井政次1 川路博之1 大楽勝之1 濱崎允1

所属機関: 1済生会山形済生病院

ページ範囲:P.333 - P.338

文献購入ページに移動
 当院における青壮年期の進行期・末期変形性股関節症に対する外反骨切り術の15年以上経過例の成績を報告する.対象は51例54股で,平均観察期間は17.2年であった.JOAスコア疼痛20点と人工股関節置換術移行をend pointとして生存率を調べ,年齢,術前・後acetabular head index(AHI),反対側股関節,骨反応の状態と生存率の関連について検討した.生存率は10年91%,15年63%となり,術後14~15年頃から急激に低下した.生存率と年齢,反対側の状態,骨反応状態には関連が示唆されたが,有意差は認めなかった.外反骨切り術の10年成績は安定し,青壮年期の進行期および末期の股関節症には有用な手術法である.

参考文献

1)Bombelli R:Osteoarthritis of the Hip. Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, 98-99, 1983
2)Bombelli R:Osteoarthritis of the Hip. Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, 167-267, 1983
3)神宮司誠也,野口康男,首藤敏秀・他:進行期および末期変形性股関節症に対する大腿骨転子部外反骨切術の長期成績.Hip Joint 28:42-44, 2002
4)糸満盛憲,山本 真:変股症に対する外反・伸展骨切り術から外反・屈曲骨切り術へ―その基本的考え方.整・災外 27:863-870, 1984
5)加藤哲也,今林正典,藤田貴也・他:末期股関節症に対する外反骨切り術の長期成績.東日本整災会誌 13:392-399, 2001
6)Ohsawa S, Inamori Y, Matsushita S, et al:Factors influencing joint-preserving operations in the treatment of the late stages of osteoarthritis of the hip. J Bone Joint Surg Br 82:69-374, 2000
7)Pauwels F:The place of osteotomy in the operative management of arthritis of the hip. Triangle 8:196-210, 1968
8)杉岡洋一:Transtrochanteric Valgus Osteotomy.中部整災誌 27:1506-1509, 1984
9)高平尚伸,糸満盛憲,内山勝文・他:進行期から末期股関節症に対する外反骨切り術の10年以上の長期成績とその限界.Hip Joint 32:79-83, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら