icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻5号

2008年05月発行

文献概要

誌上シンポジウム 手・肘関節鏡手術の現況と展望

変形性肘関節症・リウマチ肘に対する肘関節鏡視下手術

著者: 島田幸造1

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.443 - P.450

文献購入ページに移動
 肘関節は関節腔の近くを重要な神経,血管束が走行しており,その一方で上腕筋,上腕二頭筋などの発達した筋群が前方を被っていて,関節内障害の外科的治療を時に困難としている.肘関節鏡は当初手技的に困難とされていたが,手術手技,体位,ポータルの検討などから徐々に安全確実な手技として確立されてきた.特に変形性関節症や関節リウマチによる関節内病変の治療を小侵襲で行えることは,術後の後療法を早め,早期の除痛や機能改善を得る有効な手段となりつつある.われわれの経験では,変形性肘関節症では特にスポーツ由来の障害においてその成績は良好であったが,手技の熟達につれて加齢変性や外傷性の関節症に対しても,一部に直視下の手技を加えることで機能改善が期待できる.また関節リウマチに対する滑膜切除も除痛に効果的で,初期の骨びらんの少ない症例では術後早期に機能改善が得られ,特に有用であった.

参考文献

1)Horiuchi K, Momohara S, Tomatsu T, et al:Arthroscopic synovectomy of the elbow in rheumatoid arthritis. J Bone Joint Surg Am 84:342-347, 2002
2)Lee BP, Morrey BF:Arthroscopic synovectomy of the elbow for rheumatoid arthritis. A prospective study. J Bone Joint Surg Br 79:770-772, 1997
3)Mäenpää HM, Kuusela PP, Kaarela K, et al:Reoperation rate after elbow synovectomy in rheumatoid arthritis. J Shoulder Elbow Surg 12:480-483, 2003
4)Nemoto K, Arino H, Yoshihara Y, et al:Arthroscopic synovectomy for the rheumatoid elbow:a short-term outcome. J Shoulder Elbow Surg 13:652-655, 2004
5)Poehling GG, Whipple TL, Sisco L, et al:Elbow arthroscopy:a new technique. Arthroscopy 5:222-224, 1989
6)島田幸造,米田 稔,広岡 淳:肘関節の関節鏡および鏡視下手術.MB Orthopaedics 10(13):83-92, 1997
7)島田幸造,米田 稔:肘関節のスポーツ障害に対する関節鏡視下手術.MB Orthopaedics 11(4):71-80, 1998
8)多田浩一,吉田竹志,柴田 徹・他:変形性肘関節症の授動術.関節外科 9:333-342, 1990
9)Wada T, Isogai S, Ishii S, et al:Debridement arthroplasty for primary osteoarthritis of the elbow. J Bone Joint Surg Am 86:233-241, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら