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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻5号

2008年05月発行

文献概要

論述

アテトーゼ型脳性麻痺に伴う頚椎症性脊髄症に対する手術療法の再手術例についての検討

著者: 三原久範1 近藤総一1 河野心範1 新村高典1 大成克弘1 蜂谷將史1

所属機関: 1横浜南共済病院整形外科

ページ範囲:P.465 - P.472

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 アテトーゼ型脳性麻痺に伴う頚椎症性脊髄症は治療に難渋することが多く,当院で初回手術を施行した89例中これまでに27例の再手術例を経験した.術後6カ月以内の早期再手術例は6例あり,固定術後の内固定材の破綻が4例(80例中),椎弓形成術後の症状悪化が2例(4例中)で,いずれもわれわれのアテトーゼ強度分類でGrade 4(徒手矯正不能な強度)以上の症例であった.一方,術後6カ月以上経過後の再手術は21例あり,抜釘を除くと隣接椎間障害(5例)と頭蓋頚椎移行部不安定症(2例)が原因であった.これらに対し現在行っている対策とその効果についても検討を加えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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