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文献概要
誌上シンポジウム 人工股関節術後の骨折の治療
特集にあたって
著者: 大橋俊郎1
所属機関: 1山内ホスピタル
ページ範囲:P.638 - P.639
文献購入ページに移動これらの進歩によって,より若年者(特に関節リウマチ症例)にも手術が安全に行えるようになってきており,現在,日本全国で年間3万5000例以上の手術が行われている.一方,平均寿命は延長の傾向が続き,男性で79.0歳,女性で85.81歳である.そのような状況下で,人工股関節手術後に転倒したり,各種の事故に遭遇する機会も増加し,人工関節周辺骨折も増加しているものと考える.さらに高齢者の大腿骨近位部骨折も増加し,大腿骨頚部骨折に対しては人工骨頭置換術を実施されることが多く,年間4万8000余例が実施されている.そのステム周辺骨折の治療法は人工関節周辺骨折の場合と同じであるが,骨粗鬆症を合併している症例が多く治療にはより困難性が増加する.人工関節周辺骨折の頻度は1~4%といわれているが,多数例のまとまった報告はなく,報告される症例は一部と考えられる.
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