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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻7号

2008年07月発行

文献概要

誌上シンポジウム 人工股関節術後の骨折の治療

人工股関節再置換術後の大腿骨骨折に対する治療方法

著者: 大川孝浩1 久米慎一郎1 永田見生1 熊谷優2

所属機関: 1久留米大学整形外科 2済生会福岡総合病院整形外科

ページ範囲:P.641 - P.647

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 骨融解や弛みを来した骨質が不良な状態で再建を行う再置換術(revision THR)においては,術後にステム周囲で骨幹部骨折を来した場合,初回THR後の骨折以上にその治療には難渋する.Vancouver分類Bでは,プレート&スクリュー,Mennenプレート,boneプレートなどいくつかの固定方法が報告されているが,いずれの方法においてもステムが存在する近位部分の固定力が問題となる.cable & plate systemはスクリューの刺入が困難な場合にケーブルによる固定が可能となる有用な方法であるが,やはり回旋固定に関しては不安定であり,可能であれば少なくとも,1本でも追加スクリュー固定を行うべきであると考える.また,弛みを生じている場合には,理想的には一期的に再置換を考慮することが望ましいが,まず1次的に骨接合術を行い,2次的に再々置換術を考慮することも必要である.各種の固定方法との比較についても論述する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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