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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻7号

2008年07月発行

文献概要

連載 小児の整形外科疾患をどう診るか?─実際にあった家族からの相談事例に答えて・15

ブラント病

著者: 亀ヶ谷真琴1

所属機関: 1千葉県こども病院整形外科

ページ範囲:P.700 - P.701

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ブラント病

 小学6年生の男児の母です.小学3年生から少年野球チームに属し,ピッチャーをしていました.今年の夏8月に入り県大会前で練習量が増えた頃から右膝の痛みを訴え,次第に悪化し歩行も困難なほどになりました.近所の整形外科を受診し,レントゲン的には異常はないので使いすぎによる痛みだろうと言われ,練習を8月いっぱい休ませました.2学期までには痛みは軽快し,9月中旬の運動会では100メートル走も走り,野球の練習にも復帰しましたが,右足をかばってひきずるような歩き方が治らず,さらにこのころから右膝から下が曲がっていることに気がつきました.再び整形外科を受診し,右足がO脚変形しているので大学病院を受診するよう勧められ紹介状をもらいました.某大学病院で,レントゲンとMRIを撮ったところ,MRIで右足の骨端線の片側の色がおかしいことがわかり,骨端線に異常がでるブラント病ではないかとの診断を受けました.これからの成長期に骨がまっすぐに伸びず,だんだんO脚変形が進む可能性があるので,運動禁止はもちろん,体重をいっさいかけないで成長期が終わるまで,装具による免荷療法を勧められました.

 病気についてはきちんとした説明を受け理解はしたつもりですが,当人にとっては,これからの中学,高校時代をいっさい運動ができずに,不自由な装具をつけて過ごすのは,かなりの精神的負担になるはずで,現在とてもショックを受けている状態です.

 先生や装具士のかたも,「大変なことだと思うので,十分納得することが必要」とセカンドオピニオンをとることを勧めてくれました.

 もしブラント病という診断が正しい場合,

 (1)この免荷療法は唯一絶対の治療法なのか,

 (2)また精神的な負担を負ってまでやる効果があるものなのか,

 (3)将来の手術の見込みやその予後はどうなのか

 などを,息子と同じような症例を扱い,治療した経験が豊富な先生に伺いたいというのが,親子ともの希望です.

参考文献

1)Blount WP:Tibia vara;Osteochondrosis deformans tibiae. J Bone Joint Surg 19:1-29, 1937
2)Shinohara Y, Kamegaya M, Kuniyoshi K, et al:Natural history of infantile tibia vara. J Bone Joint Surg Br 84:263-268, 2002
3)篠原裕治,亀ヶ谷真琴,國吉一樹・他:Blount病に対するOrthofix創外固定器を用いた変形矯正.臨整外 35:1513-1520,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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