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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻8号

2008年08月発行

症例報告

橈骨遠位端に生じたサルモネラ骨髄炎の1例

著者: 喜多川孝欽1 篠崎哲也1 柳川天志1 高岸憲二1

所属機関: 1群馬大学大学院機能運動外科学

ページ範囲:P.817 - P.820

文献概要

 われわれは基礎疾患を伴わない橈骨遠位端サルモネラ骨髄炎を経験した.症例は18歳の女性で主訴は右手関節痛であった.単純X線像で橈骨遠位端に溶骨性変化を認め,CTでは皮質骨まで達する境界不明瞭な溶骨性変化を呈する腫瘤を認めた.腫瘤性病変はMRIのT1強調像で低信号,T2強調像で不均一な高信号を呈した.CTガイド下針生検術を行ったところ,病理検査で炎症細胞浸潤と線維化を認め,培養でSalmonella O7が同定された.便培養は陰性であった.骨移植を併用しない病巣掻爬と抗生剤投与で治療を行ったが経過良好である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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