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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科43巻9号

2008年09月発行

文献概要

論述

鎖骨上窩部の腫瘍性疾患の鑑別―外来での治療方針のアプローチ

著者: 赤羽努1 中土幸男2 清水富永3 加藤博之4

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構長野病院整形外科 2抱生会丸の内病院整形外科 3清水整形外科クリニック 4信州大学医学部運動機能学講座

ページ範囲:P.861 - P.865

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 腕神経叢に手術操作が及ぶ鎖骨上窩部の腫瘍性病変について検討した.10年間で診断治療を行った30症例を対象とし,年齢,性別,受診までの期間,術前症状,画像所見,病理像を検討した.神経鞘腫は13例と半数近くであったが,脂肪腫4例を含め非神経原性腫瘍も15例認められた.神経原性腫瘍群とその他の群間では術前のTinel徴候(p=0.014)とMRIで観察されるtarget sign(p=1.75×10-5)に有意な差異を呈していた.鎖骨上窩部の腫瘍性病変は神経鞘腫以外の存在も念頭に置き,Tinel徴候とtarget signで鑑別がつかない場合は生検を行う必要があるといえる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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