巻頭言
第82回日本整形外科学会学術総会を開催するにあたって
著者:
岩本幸英
ページ範囲:P.2 - P.3
第82回日本整形外科学会学術総会を,本年5月14日~17日の4日間,福岡市で開催させていただきます.会場は,博多湾に面した福岡国際会議場を中心としたエリアです.日本整形外科学会は,1926年の学会設立以来めざましい発展を遂げ,ますます大きな発展を遂げようとしています.近年における日本整形外科学会の会員数(および日整学術総会参加者)の動向は,2003年会員数21,106名(参加者5,015名),2004年21,507名(5,033名),2005年21,383名(6,068名),2006年21,258名(5,945名),2007年21,519名(6,757名),2008年21,860名(6,823名)と漸増傾向にあり,第82回の学術総会では,約7,000名の参加者が見込まれています.日整会の現在の繁栄を将来の飛躍につなぐ重要な時期に,学術総会の会長を務めさせていただくことを大変光栄に存じております.
学会のメインテーマは,「日本整形外科学会のグローバル化と個性」とさせていただきました.メディアの発達により世界の情報が瞬時に入手され,人の行き来もボーダーレス化した現在,日整会は世界の整形外科医療に役割を果たすべき時代を迎えたと思います.国外の参加者を交え,このグローバル化という問題について話し合いたいと思います.幸い参加を呼びかけたSICOT(国際整形外科学会議),AAOS(米国整形外科学会),EFORT(欧州整形外科学会議),APOA(アジア太平洋整形外科学会議)のすべての組織が代表を送り,シンポジウム「整形外科学会のグローバル化」において意見を述べてくださることになりました.また,「医療のグローバル化」というシンポジウムも組まれています.グローバル化は重要ですが,一方ではその弊害として,各国の個性,独自の文化が失われることが多分野で懸念されています.整形外科の分野も例外ではありません.われわれは日本オリジナルの個性あふれる整形外科医療を見失わず,継承していくことが重要であり,この問題も,シンポジウム「わが国における整形外科医学・医療のidentity」など,プログラムの中身に反映させました.