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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻1号

2009年01月発行

文献概要

論述

頚髄症に対する除圧24時間後の手指運動機能は神経学的改善度の予後因子となる

著者: 細野昇1 牧野孝洋1 向井克容1 坂浦博伸2 三輪俊格1 冨士武史1 吉川秀樹2

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪大学大学院器官制御外科学(整形外科)

ページ範囲:P.43 - P.48

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 圧迫性脊髄症48人96手と対照(腰椎手術患者)25人50手を対象に術前,術後4時間,24時間,48時間,1週間,2週間の6時点で15秒テストを行い回数の変化を見た.頚髄症ではそれぞれ26.7,29.7,35.0,35.1,36.2,37.2(回)と24時間までに急速に増加しており,24時間値は2週間値の94%に達していた.術後24時間で獲得される手指運動回数は最大獲得回数やJOAスコア獲得点数と有意に相関しており,神経学的回復の予後因子であった.対照群では術後4時間において一時的に回数が低下していたが,頚髄症でも軽症例になるほどこの傾向が強かった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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