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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻1号

2009年01月発行

文献概要

症例報告

Bone transport後に感染が再発し高気圧酸素療法を併用した脛骨感染性偽関節の1例

著者: 大野一幸1 小橋潤己1 世古宗仁1 行方雅人1 篠田経博1 井内良2 清水義友3 樋口周久4

所属機関: 1大阪船員保険病院整形外科 2大阪労災病院整形外科 3西宮市立中央病院整形外科 4大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)

ページ範囲:P.99 - P.103

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 症例は21歳の男性で,Gustilo type IIIBの下腿開放骨折後,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染性偽関節となった.3回の掻爬と抗菌含有セメントビーズ挿入で感染は沈静化したが,約6cmの骨欠損が生じたため,bone transportを行った.その後,偽関節部分で緑膿菌による感染が再発したため,再掻爬し,創外固定器で固定したうえで,高気圧酸素療法を併用した.再発後1年の現在,骨癒合は得られ,感染徴候はみられない.感染性偽関節のbone transport後の再発例に対して,高気圧酸素療法は有効な治療法であった.

参考文献

1) 石橋恭之,佐々木智行,佐々木和広・他:塩酸バンコマイシン混入リン酸カルシウム骨ペーストによるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)大腿骨骨髄炎の治療成績.整形外科53:1223-1227,2002
2) Sen C, Kocaoglu M, Eralp L, et al:Bifocal compression-distraction in the acute treatment of grade III open tibia fractures with bone and soft-tissue loss. J Orthop Trauma 18:150-157, 2004
3) 田村裕昭,川嶌眞人:感染性偽関節に対する高気圧酸素療法.整・災外41:1043-1052,1998
4) Templeman DC, Gulli B, Tsukayama DT, et al:Update on the management of open fractures of the tibial shaft. Clin Orthop 350:18-25, 1998
5) 土屋弘行,山城輝久,櫻吉啓介・他:下肢骨欠損に対するbone transport.関節外科21:63-74,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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