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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻10号

2009年10月発行

文献概要

調査報告

臼蓋形成不全における潜在性二分脊椎の検討

著者: 森本忠嗣1 前田和政1 重松正森1 園畑素樹1 井上充2 馬渡正明1 佛淵孝夫1

所属機関: 1佐賀大学医学部整形外科 2佐賀社会保険病院産婦人科

ページ範囲:P.1023 - P.1026

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 本邦における臼蓋形成不全と潜在性二分脊椎の関係について検討した.対象は寛骨臼移動術を行った臼蓋形成不全223例(以下AD群)(全例女性,平均年齢39歳)であり,産婦人科手術例167例(平均年齢36歳)を対照群とした.2群の潜在性二分脊椎の合併率について調査した.潜在性二分脊椎の合併率はAD群23.3%,対照群8.4%であった(p<0.01).臼蓋形成不全の発生には遺伝的要因による腰仙椎から骨盤にかけての形成不全の可能性があることが示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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