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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻12号

2009年12月発行

文献概要

論述

変形性股関節症における股関節痛の検討:疼痛領域の多様性

著者: 森本忠嗣1 重松正森1 園畑素樹1 馬渡正明1 佛淵孝夫1

所属機関: 1佐賀大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1193 - P.1195

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 初回人工股関節置換術を行った変形性股関節症138股(男:女=24:114,平均年齢62歳)を対象に股関節由来の疼痛領域を調査した.疼痛領域は鼡径部67%,股関節側方61%,殿部54%と股関節周囲で99%を占め,大腿部(大腿近位1/3から膝蓋骨高位)16%,下腿部7%であった(複数回答を含む).鼡径部痛を訴えない症例は33%に及び,また,変形性股関節症の固有疼痛領域を同定できず,本症の病態の多様性を反映していた.下腿部の疼痛は7%に認められ,腰椎疾患との鑑別の重要性が示唆された.

参考文献

1) 荒 文博,菊地臣一,青田恵郎・他:股関節に由来する疼痛領域の検討-人工股関節置換術に消失した疼痛領域の検討.日整会誌82:s527,2008
2) 肥後たかみ,佛淵孝夫:股関節の痛み.新薬と治療53:19-21,2003
3) 川田倫子,牛田亨宏,池内昌彦・他:股関節疾患における関連痛の臨床的検討.Pain Research21:33-38,2006
4) Khan AM, McLoughlin EM, Giannakas K, et al:Hip osteoarthritis:where is the pain? Ann R Coll Surg Engl 86:119-121, 2004
5) Khan NQ, Woolson ST:Refferal patterns of the hip pain in patients undergoing total hip replacement. Orthopaedics 21:123-126, 1998
6) Lesher JM, Dreyfuss P, Hager N, et al:Hip joint pain referral patterns:A descriptive study. Pain Medicine 9:22-25, 2008
7) 森本忠嗣,小河賢司,重松正森・他:変形性股関節症患者の主訴(患者自記式)の検討.Hip Joint34:663-666,2008
8) 中村順一,老沼和弘,鈴木千穂・他:変形性股関節症における疼痛発現部位の検討.臨整外41:991-994,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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