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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻12号

2009年12月発行

文献概要

臨床経験

第5腰椎神経根椎間孔外障害のX線像の特徴―Far-out症候群と外側型ヘルニアの対比

著者: 伊藤圭吾1 湯川泰紹1 堀江裕美子2 中島宏彰1 町野正明1 加藤文彦1

所属機関: 1中部労災病院整形外科 2名古屋共立病院整形外科

ページ範囲:P.1237 - P.1241

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 腰部根性疼痛の原因として,腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症がよくみられる疾患である.その他にも第5腰椎(以下,L5)椎間孔外側障害があり,見逃されやすい疾患として報告されている.L5椎間孔外側障害を生じるものとして,L5/仙椎間外側型ヘルニア(以下,L5/S L-LDH)やFar-out症候群(以下,FOS)などが挙げられる.今回,L5/S L-LDHを対照群として比較することにより,変性側弯によるFOSの特徴についてX線画像〔L5横突起-仙骨翼間の距離(T-A距離),およびL4傾斜角,L5傾斜角,L1-S1 Cobb角〕を中心に検討した.FOSの最大の特徴としてはT-A距離3mm以下だけでなく,症状側にL5椎体が傾き,またそれだけでなくL1椎体は代償性に反対側に傾く傾向であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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