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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻12号

2009年12月発行

文献概要

症例報告

特発性脊髄ヘルニアの2例

著者: 鈴木英嗣1 河内敏行1 石突正文1

所属機関: 1土浦協同病院整形外科

ページ範囲:P.1275 - P.1279

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 胸椎に発生した特発性脊髄ヘルニアを2例経験した.2例とも2~3年の経過で脊髄障害が進行し,1例はBrown-Séquard症候群を呈していた.画像所見では脊髄の前方への偏位を認めていた.いずれも術中所見で二重硬膜を形成しており,その内層の欠損孔から脊髄が脱出していた.ヘルニア孔を拡大し,短期の術後経過は良好である.中高年で胸椎レベルでの緩徐進行性の脊髄障害を呈している場合には脊髄ヘルニアも念頭に置き,早期に診断・外科的治療を行うことが良好な成績を得るために重要と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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