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雑誌目次

雑誌文献

臨床整形外科44巻2号

2009年02月発行

雑誌目次

誌上シンポジウム 膝骨壊死の病態と治療

緒言 フリーアクセス

著者: 糸満盛憲

ページ範囲:P.120 - P.120

 特発性膝骨壊死症は60歳以上の高齢者に発症する疾患で,大腿骨顆部に多く発生する.片側例が多く,女性は男性の約3倍の発生頻度であり,急性疼痛をもって発症することが大きな特徴である.一方,全身性エリテマトーデスなどの基礎疾患を伴い,ステロイド剤投与歴のあるステロイド性骨壊死症は若年者に発症し,両側発症が多く,大腿骨頭壊死症を合併する頻度が高い.一般に壊死範囲は特発性に比べて大きく,圧潰を来しやすく治療が困難である.

 これら膝骨壊死症の病態は不明な点が多く,その病因についても,骨内の微小循環障害によるとする血行障害説がある一方,特発性,ステロイド性ともに基盤に骨粗鬆症があることから,軟骨下骨の骨梁の脆弱性骨折insufficiency fractureが原因と考える外傷説がある.本特集で山本らは,高齢者の特発性骨壊死症の病理学的観察から,早期の所見は軟骨下骨梁の脆弱性骨折のみで骨壊死は認めないが,進行期例では骨折部より末梢部に限局した骨壊死を認めたことから,本骨壊死の病因は軟骨下骨梁の脆弱性骨折であることを強調している.清水はステロイド性骨壊死症250関節を含めた膝骨壊死症300関節の単純X線所見とMRI所見を中心に検討し,ステロイド性骨壊死症は全身投与されたステロイドの影響による骨髄内の血流障害によって軟骨下骨の骨壊死が発生するが,特発性骨壊死症では血流障害にメカニカルストレスが加わることが原因であろうと述べている.

膝骨壊死症の病因・病態

著者: 山本卓明 ,   三浦裕正 ,   松田秀一 ,   岡崎賢 ,   諸岡孝明 ,   ,   岩本幸英

ページ範囲:P.121 - P.125

 膝関節にみられる骨壊死のうち,いわゆる特発性膝骨壊死の病因・病態を,軟骨下脆弱性骨折の概念に基づき再検討した.早期(Stage2)では軟骨下骨折のみを認め,骨壊死は認めなかった.進行期(Stage3)には骨壊死を認めたが,骨壊死巣はすべて骨折部より末梢側にのみ限局していた.以上の病理所見は,特発性膝骨壊死において認められる骨壊死は,軟骨下脆弱性骨折の結果であり,虚血によるものではないことを示唆している.特発性膝骨壊死は,長年にわたり虚血による骨壊死と考えられてきたが,軟骨下骨折を起因とした病態であると考えるべきであろう.

膝骨壊死の画像診断―ステロイド性,特発性壊死の比較

著者: 清水耕

ページ範囲:P.127 - P.138

 ステロイド性136例,250関節,特発性48例,50関節,計184例,300関節の膝関節部骨壊死の単純X線,MRI所見を検討した.ステロイド性は両側性,多発性の症例が多く,好発部位は大腿骨外顆後部,遠位骨幹端,内顆後部の順で,壊死発生部位は骨髄内血流終末部に一致しており,MRI所見は,「band」像,「mixed」像を呈していた.特発性は大部分が大腿骨内顆中央に限局し,MRI所見は「diffuse」像を呈し,「band」像は認めなかった.特発性壊死はステロイド性壊死と大きく異なっていたが,骨折が特発性骨壊死の原因と考えられる画像所見は認められなかった.

膝骨壊死症の保存的治療―低出力超音波パルスを用いた積極的保存療法

著者: 成瀬康治 ,   占部憲 ,   糸満盛憲

ページ範囲:P.139 - P.142

 特発性膝骨壊死の予後は,病変部の大きさと治療開始時の病期に左右される.よって,早期診断,早期治療開始による病期進行防止が重要である.特発性膝骨壊死の保存療法としてこれまで行われてきたものは,杖や足底板による免荷,消炎鎮痛薬投与,ヒアルロン酸の関節内注射などであるが,著効を示さない症例や病期が進行していく症例が存在していた.われわれは特発性膝骨壊死の病態が脆弱性骨折であるとすれば,骨折の治癒過程を促進する低出力超音波パルス(LIPUS)は特発性膝骨壊死の積極的な保存療法になる可能性があると考え,臨床応用を開始し良好な成績を得ている.

膝骨壊死症に対する骨軟骨移植術

著者: 松末吉隆 ,   久保充彦 ,   中川泰彰

ページ範囲:P.143 - P.149

 自家骨軟骨柱移植術は骨壊死症における骨軟骨欠損の修復に極めて有用である.ドナー部位の愁訴もほとんどない.特発性骨壊死では178°以上の内反変形を伴っている場合は高位脛骨骨切り術を併用するのがよい.大きな骨欠損の例では,母床に骨移植を併用することで一期的に骨軟骨柱移植が可能である.ステロイド性骨壊死で軟骨面の連続性が保たれている症例では,壊死骨への十分な掻爬やドリリングを行った後に骨移植を併用する骨軟骨柱移植は試みてよい方法である.

特発性膝骨壊死に対するOpening Wedge High Tibial Osteotomy

著者: 竹内良平 ,   荒武正人 ,   尾藤晴彦 ,   齋藤泉 ,   熊谷研 ,   林陸 ,   佐々木洋平 ,   齋藤知行

ページ範囲:P.151 - P.159

 大腿骨顆部骨壊死(膝骨壊死)は突然発症し,進行すると重度の変形性膝関節症(OA)に至る.膝骨壊死に対する外科的治療法には徐圧術,高位脛骨骨切り術(HTO),人工膝関節単顆置換術(UKA),人工膝関節全置換術(TKA)などがあるが,近年HTOの数は減少し,TKAに取って代わられた.膝骨壊死の病態は急性に発症するものであり,長期間を要して悪化する変形性膝関節症とは異なり,膝関節機能が良好に保たれていることが多い.骨壊死巣が大きく保存的治療が功を奏さない症例では関節拘縮が出現しやすく,また下肢のアライメントが内反である症例では壊死巣が圧潰して病気が進行する可能性が高い.このような症例に対しては早期の関節温存手術を行うことが好ましいと考える.本稿ではわれわれが行っているopening wedge high tibial osteotomyを紹介する.

論述

下肢骨折手術に対する簡便な術後疼痛コントロール法―モルヒネくも膜下投与法の検討

著者: 飛田哲朗 ,   湯川泰紹 ,   町野正明 ,   寺島照雄 ,   坂野真士 ,   岡義春 ,   伊藤圭吾 ,   堀江裕美子 ,   原田敦 ,   加藤文彦

ページ範囲:P.161 - P.165

 術後鎮痛のためのモルヒネくも膜下投与法は,脊椎麻酔時に同時に簡単に施行でき,下肢外傷手術での応用が期待されているが,いまだ報告は少ない.われわれは塩酸モルヒネのくも膜下投与の効果を,前向き比較対照試験で検討した.下肢骨折に対し脊椎麻酔で手術を行った38例を対象とした(モルヒネ群18例,対照群20例).モルヒネ群は有意に術後のVAS,鎮痛薬使用量が少なかった.合併症はモルヒネ群で10例,対照群で5例あった.特に呼吸抑制の合併症には注意を要するが,モルヒネくも膜下投与は効果的な術後鎮痛法であった.

腰椎椎間板ヘルニアにおける患側大腰筋の萎縮

著者: 牧野孝洋 ,   細野昇 ,   向井克容 ,   三輪俊格 ,   冨士武史

ページ範囲:P.167 - P.172

 片側下肢痛を主訴に腰椎椎間板ヘルニア(L4/5,L5/S)で手術を施行した男性48例の大腰筋断面積を術前MRI上で測定した.測定は2人の検者が脊柱管内を塗りつぶした画像上で筋の周縁を追跡することで行った.検者間における級内相関係数は0.88~0.97と非常に高かった.大腰筋断面積比(患側/健側)はL3/4高位で0.99,L4/5高位で0.98,L5/S高位で1.00であり,L4/5高位では有意な患健差であった.下肢伸展挙上テストの角度,罹病期間,ヘルニアの大きさ(脊柱管内占拠比)と筋断面積比に相関関係はなかった.

整形外科基礎

頭蓋・頚椎移行部の解剖学的研究―頭蓋・頚椎移行部後方進入における椎骨動脈損傷の予防

著者: 茂呂貴知 ,   菊地臣一 ,   紺野慎一

ページ範囲:P.173 - P.176

 頭蓋・頚椎移行部での後方アプローチに際しての椎骨動脈損傷を予防する観点から,解剖実習用遺体を使用して,椎骨動脈の局在を検討した.同時に,第1頚神経と第2頚神経との関係について検討した.全例で,第2頚神経が環椎椎弓下縁から背側に現れる位置は,椎骨動脈が後頭環椎間膜へ侵入する位置よりも内側に位置していた.椎骨動脈が後頭環椎間膜へ進入する位置と正中との距離の最小値は19mmであった.この事実から,第1頚椎後面の外側へのはく離操作は,正中より19mm外側以内が安全域と考えられる.また,全例において,第2頚神経が環椎椎弓下縁から背側に現れる位置は,椎骨動脈が後頭環椎間膜へ進入する位置よりも内側に位置していた.正中からはく離操作を行う際には,第2頚神経が環椎椎弓下縁から現れる位置を確認して,これを椎骨動脈のランドマークとする必要がある.

検査法

多列器CT画像による椎体骨描出性能の検証―microCTとの比較

著者: 町田正文 ,   浅井亨 ,   南郷脩史

ページ範囲:P.177 - P.181

 2000年,National Institutes of Health,国立衛生院(NIH)のコンセンサス会議において,骨粗鬆症は骨強度が低下し,骨折をしやすくなった状態と定義され,骨強度とは骨量(骨密度)と骨質の総和であるとされた.これまでdual energy X-ray absorptiometry(DXA)による骨密度が骨粗鬆症の診断の臨床検査として用いられてきたが,骨密度のみで骨強度を客観的に捉えるには限界であった.そこで,晒し骨の椎体の骨微細構造を臨床に用いられているのと同じ撮影条件で施行した多列器CT(muliti-detector-row CT:MDCT)とmicroCTとで比較した.その結果,MDCTはmicroCTで撮影したそれと比較して解像度が劣るものの,近似した検査データが得られ,海綿骨の微細構造を反映する骨描出能力を有することが明らかとなった.

器械紹介

顕微鏡下脊椎手術のための円筒形レトラクターの作製

著者: 菅尚義 ,   宮崎昌利 ,   吉田省二 ,   福田泰子 ,   金出政人 ,   三原茂

ページ範囲:P.183 - P.191

 手術患者の腰椎X線像,CT,MRIから似たタイプの晒状骨を基に,20mlのディスポ注射筒を用いて各人のオーダーメイド的な円筒形レトラクター(TR)を作製し約70例の経験した後,金属製で径17mmの汎用のTRを作製した.これにより小切開で筋肉などの介在物の侵入を防ぎ,良好な視野で顕微鏡下手術ができるようになった.1椎間当たりの出血量はヘルニアで10.5ml,狭窄症で13.1mlであった.手術時間は両者とも約100分であった.TR法の対象疾患を腰椎分離症の根症状,胸椎黄色靱帯骨化症,高齢者の遅発性脊髄麻痺,頚髄症の一部などに広げている.

総説

整形外科医療への期待度・満足度

著者: 豊根知明 ,   神川康也 ,   渡辺淳也 ,   男澤朝行 ,   松木圭介 ,   山下剛 ,   松本信洋 ,   内村暢幸 ,   落合俊輔 ,   海保拓 ,   和田佑一

ページ範囲:P.195 - P.199

 近年,患者立脚型のアウトカム評価が推奨されているが,整形外科外来診療における患者満足度の調査報告は見られない.本研究では外来患者において,その症状,期待度ならびに満足度を経時的に調査することを目的とした.まず初診時に受診理由,仕事,臨床症状,期待度,健康状態を測定する包括的尺度(SF-12)を,初診後約3カ月での追跡調査時に治療状況,臨床症状,SF-12,満足度を調査した.対象は外来初診患者1,000名のうち,調査票が完全に回答された594名である.受診理由の第1位は痛み,第2位は「これ以上悪くなると困る」であった.初診時の痛み,日常生活動作・仕事・趣味・スポーツ活動の支障は,VAS(100mm)で平均48~58であった.治療後の症状に対する期待度はVASで平均9~12と,初診時の症状のおよそ5分の1となっていた.追跡調査時に症状はVASで22~28とすべて初診時より有意に改善していたが,期待値よりは症状が強かった.満足度は,期待通りだった:59%,この治療なら受けてもよいと思う:28%と,87%が満足していた.症状→期待→治療成績→満足度を知ることは,運動器医療の問題解決に寄与し得ると考えられる.

整形外科/知ってるつもり

関節リウマチに対する生物学的製剤の正しい使い方

著者: 村岡成 ,   川合眞一

ページ範囲:P.200 - P.203

■はじめに

 近年,関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の薬物治療は大きく進歩した.RAの疾患の病因はいまだに不明であるが,分子生物学的研究の進歩により,病態形成に及ぼす諸因子が明らかにされ,新たな治療法が登場してきたためである.RAの治療法は,歴史的には,非ステロイド性抗炎症薬やステロイドなどの抗炎症療法から,methotrexate(MTX,メソトレキサート)の登場により抗リウマチ薬を主軸とした治療戦略にシフトし,近年の生物学的製剤の時代になった1).現在,わが国ではinfliximab(INF,インフリキシマブ),etanercept(ETA,エタネルセプト)に加えて,adalimumab(ADA,アダリムマブ),tocilizumab(TCZ,トシリズマブ)の4種類の生物学的製剤が使用可能となっている.本稿ではこれらの特徴を概説する.

連載 小児の整形外科疾患をどう診るか?―実際にあった家族からの相談事例に答えて・22

片側肥大症(脚長差)

著者: 亀ヶ谷真琴

ページ範囲:P.204 - P.205

相談例「片側肥大症(脚長差)」

 はじめまして,4月で生後4カ月になる娘の事でご相談したくメールいたしました.

 2カ月過ぎた頃から左右の足の太さの違いが気になり,3カ月になった時に某病院の小児科に電話相談したところ,整形外科を受診してくださいと言われ,視・触診,レントゲンを撮った結果,「どうして太さが違うのかわからない.しばらく様子をみても問題ないと思いますよ」と診断されました.しかし何か隠れた病気でもあるのではと,とても心配です.素人の採寸ですが,ふくらはぎが1cm,ももが1.5cm程右足のほうが太いです.長さは右のほうが長いといえば長いようにみえるのですが,正確にはわかりません.両足ともよく動くのですが,若干右のほうが左に比べ鈍いような気もします.原因はどのようなことが考えられるのでしょうか? このまま何もせず様子をみていて本当にいいのでしょうか? そちらのような専門病院で何か原因があるのかみていただいたほうがいいのかアドバイスいただけたらうれしいのですが….お忙しいところ申し訳ございませんが宜しくお願いいたします.

臨床経験

慢性肩石灰沈着性腱板炎に対する体外衝撃波治療の経験

著者: 滝正徳 ,   木村雅史 ,   小林保一 ,   井下隆弘 ,   高岸憲二

ページ範囲:P.207 - P.211

 保存療法に抵抗する慢性肩石灰沈着性腱板炎6例7肩に体外衝撃波治療を施行した.10cmVAS(visual analog scale)による疼痛評価では,照射前後で6.1±2.7cmから0.6±1.1cmへと有意に改善した.単純X線像石灰の消失を5肩(71.4%)で確認でき,この石灰消失例では疼痛の軽減・可動域の改善および患者満足度が高かった.照射後の一時的な疼痛の増強を2例に認めた以外は重篤な合併症は認めなかった.体外衝撃波治療は石灰沈着性腱板炎慢性例に対する低侵襲で有効な治療法として期待できる.

症例報告

8椎体に及ぶ広範な胸腰椎カリエスの手術経験

著者: 加藤仁志 ,   川原範夫 ,   村上英樹 ,   出村諭 ,   岡山忠樹 ,   吉岡克人 ,   川口真史 ,   富田勝郎

ページ範囲:P.213 - P.217

 8椎体に及ぶ胸腰椎カリエスを経験した.症例は中国籍の32歳の女性だった.背部痛の出現から1年後に脊椎カリエスと診断され,化学療法の効果なく手術となった.CT,MRIでT7からL2まで及ぶ椎体破壊と椎体周囲膿瘍を認めた.手術は右開胸を2カ所で行い,8椎体に及ぶ病巣を掻爬した.反対側の椎体周囲膿瘍も椎体前方より掻爬できた.2週間後に脊柱の補強を目的に,椎弓根スクリューの挿入高位のみ皮膚切開を行い,病巣範囲外で後方インストゥルメンテーションを追加した.術後1年6カ月の現在,後弯の進行なく脊椎固定部は骨癒合し,脊椎カリエスは鎮静化している.

胸郭不全症候群を呈した先天性後側弯症の治療経験

著者: 野原亜也斗 ,   川上紀明 ,   宮坂和良 ,   辻太一 ,   小原徹哉 ,   多々羅靖則 ,   安藤圭

ページ範囲:P.219 - P.224

 胸郭不全症候群とは,胸郭が正常な呼吸と肺の成長をサポートできない状態であり,早期発症の脊柱変形に付随した胸郭の変形により,高度の呼吸機能障害を引き起こす疾患である.われわれは,術前%VCが19.8%の高度拘束性障害を認め,100°を超える先天性後側弯に対し手術加療を施行したので報告する.症例は14歳の男児である.胸椎カーブはX線正面像で152°,側面像で89°の後側弯を認めた.手術は後方矯正固定術を施行した.胸郭不全症候群に対する治療は,脊柱変形の矯正と,脊椎の成長の維持だけでなく,胸郭の矯正による肺機能の改善を図る必要がある.

橈骨頭骨折後の軟骨欠損に対し骨軟骨柱移植を行った1例

著者: 古川雄樹 ,   堺慎 ,   浅岡隆浩 ,   大川匡

ページ範囲:P.225 - P.228

 今回われわれは橈骨頭骨折後の軟骨欠損に対し骨軟骨柱移植を行い,良好な結果が得られたので報告する.症例は62歳の女性で,自転車に乗っている時に転倒し受傷した.当院整形外科を翌日受診し,X線像で右橈骨頭骨折を認めた.またCTにおいて関節面の陥没を認めた.4週間シーネ固定とした後,リハビリテーションを開始したが,著明な右肘関節可動域制限と疼痛を認めた.受傷後7カ月目に膝関節から骨軟骨柱を採取し,欠損部に移植を行った.その後,関節可動域制限および疼痛は消失した.

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あとがき フリーアクセス

著者: 富田勝郎

ページ範囲:P.236 - P.236

 この「あとがき」では,ときに自論が展開されるのも楽しみです.そこで小生も今回は,最近あったことの一つを書いてみることにしました.

 実は先日,霞ヶ関に呼ばれた某会議で,ある女性委員からこのような発言が浴びせられたのです.

 「大学病院が研修医に人気がないのは,雑用が多く,彼らの位置づけが,教授→医局長→医師→犬・猫・ネズミ→その下に,研修医という順列にあるからだ,という話をきいて,ああ,なるほどと,妙に納得できたのです.現実はどうなのでしょうか」.その瞬間,「待ってました!」とばかりに,傍聴のプレス席から喝采のような笑いが巻き起こったのです.私は内心,怒る心を抑えつつ,体をワナワナさせて反論しました.

基本情報

臨床整形外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1286

印刷版ISSN 0557-0433

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