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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻2号

2009年02月発行

文献概要

検査法

多列器CT画像による椎体骨描出性能の検証―microCTとの比較

著者: 町田正文1 浅井亨2 南郷脩史3

所属機関: 1国立病院機構村山医療センター臨床研究センター 2川口市立医療センター整形外科 3ラトックシステムエンジニアリング

ページ範囲:P.177 - P.181

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 2000年,National Institutes of Health,国立衛生院(NIH)のコンセンサス会議において,骨粗鬆症は骨強度が低下し,骨折をしやすくなった状態と定義され,骨強度とは骨量(骨密度)と骨質の総和であるとされた.これまでdual energy X-ray absorptiometry(DXA)による骨密度が骨粗鬆症の診断の臨床検査として用いられてきたが,骨密度のみで骨強度を客観的に捉えるには限界であった.そこで,晒し骨の椎体の骨微細構造を臨床に用いられているのと同じ撮影条件で施行した多列器CT(muliti-detector-row CT:MDCT)とmicroCTとで比較した.その結果,MDCTはmicroCTで撮影したそれと比較して解像度が劣るものの,近似した検査データが得られ,海綿骨の微細構造を反映する骨描出能力を有することが明らかとなった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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