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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻2号

2009年02月発行

文献概要

症例報告

8椎体に及ぶ広範な胸腰椎カリエスの手術経験

著者: 加藤仁志1 川原範夫1 村上英樹1 出村諭1 岡山忠樹1 吉岡克人1 川口真史1 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.213 - P.217

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 8椎体に及ぶ胸腰椎カリエスを経験した.症例は中国籍の32歳の女性だった.背部痛の出現から1年後に脊椎カリエスと診断され,化学療法の効果なく手術となった.CT,MRIでT7からL2まで及ぶ椎体破壊と椎体周囲膿瘍を認めた.手術は右開胸を2カ所で行い,8椎体に及ぶ病巣を掻爬した.反対側の椎体周囲膿瘍も椎体前方より掻爬できた.2週間後に脊柱の補強を目的に,椎弓根スクリューの挿入高位のみ皮膚切開を行い,病巣範囲外で後方インストゥルメンテーションを追加した.術後1年6カ月の現在,後弯の進行なく脊椎固定部は骨癒合し,脊椎カリエスは鎮静化している.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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