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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻2号

2009年02月発行

文献概要

症例報告

胸郭不全症候群を呈した先天性後側弯症の治療経験

著者: 野原亜也斗1 川上紀明1 宮坂和良1 辻太一1 小原徹哉1 多々羅靖則1 安藤圭1

所属機関: 1名城病院整形外科脊椎脊髄センター

ページ範囲:P.219 - P.224

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 胸郭不全症候群とは,胸郭が正常な呼吸と肺の成長をサポートできない状態であり,早期発症の脊柱変形に付随した胸郭の変形により,高度の呼吸機能障害を引き起こす疾患である.われわれは,術前%VCが19.8%の高度拘束性障害を認め,100°を超える先天性後側弯に対し手術加療を施行したので報告する.症例は14歳の男児である.胸椎カーブはX線正面像で152°,側面像で89°の後側弯を認めた.手術は後方矯正固定術を施行した.胸郭不全症候群に対する治療は,脊柱変形の矯正と,脊椎の成長の維持だけでなく,胸郭の矯正による肺機能の改善を図る必要がある.

参考文献

1) Boffa P, Stovin P, Shneerson J:Short reports lung developmental abnormalities in severe scoliosis. Thorax 39:681-682, 1984
2) Campbell RM, Smith MD, Mayes TC, et al:The characteristics of thoracic insufficiency syndrome associated with fused ribs and congenital scoliosis. J Bone Joint Surg Am 85:399-408, 2003
3) Campbell RM, Smith MD:Thoracic insufficiency syndrome and exotic scoliosis. J Bone Joint Surg Am 89:399-408, Suppl. 1, 2003
4) Pehrsson K, Larsson S, Oden A, et al:Long-term follow-up of patients with untreated scoliosis. Spine 17:1091-1096, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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