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整形外科/知ってるつもり
文献概要
肩こりで悩む国民は多く,厚生労働省国民生活基礎調査〔平成16年(2004年)〕の「性別にみた有訴者率」によると,肩こりは日本人が訴える症状の第2位であるとともに通院者率では女性の第4位を占めている3).このように日本では多く自覚される肩こりではあるが,その定義について調べてみると,いずれの領域の文献でも肩こりは筋肉の緊張状態に由来する症状名とされており,周知された明確な定義はない.また,肩こりの病態は多彩であることが知られており,依然として明確な治療法が確立されていない.ここでは肩こりの定義,疫学,病態および原因などについて今までに知られていることをまとめて解説する.
参考文献
1) Haldeman S, Carroll LJ, Cassidy JD:A best evidence synthesis on neck pain:Findings from the Bone and Joint Decade 2000-2010 Task Force on Neck Pain and Its Associated Disorders. Spine 33(4 Suppl):S1-220, 2008
2) 飯島克巳,佐々木将人,Katon W:肩こりについての研究(1)―定義,外国での有無.日本医事新報No. 3547:30-33,1992
3) 厚生労働省国民基礎調査.平成16年世帯員の健康状況:自覚症状の状況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa04/3-1.html
4) 大沢敏久,高岸憲二,篠崎哲也・他:山村部でのアンケート調査による肩こりの臨床的特徴.関東整災誌39:86,2008
5) 労働省:頸肩腕症候群などの上肢障害認定.1997
6) 佐藤勤也:腰痛・肩こり.臨牀看護14:1072-1074,1988
7) 多田浩一,吉田竹志,村瀬 剛:頸肩腕症候群と肩こり.疾患概念とその病態:頸肩腕症候群と肩こり職場での実態調査.臨整外36:1247-1255,2001
8) 高岸憲二・他:肩こりに関するプロジェクト研究(平成16-18年).日整会誌82:901-911,2008
9) 高桑 巧,三島令子,熱田裕司:肩こりの検討―近赤外分光法(NIRS)を用いての評価.整形外科52:461-465,2001
10) 矢吹省司,菊地臣一:頸肩腕症候群と肩こり:疾患概念とその病態;肩こりの病態.臨整外31:1241-1246,2001
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