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連載 整形外科と蘭學・23
杉田玄白と解体新書(その1)
著者: 川嶌眞人1
所属機関: 1川嶌整形外科病院
ページ範囲:P.288 - P.290
文献購入ページに移動昨年(2008年)12月14日,福井県小浜市が募集した「杉田玄白賞」にたまたま合格し,小浜市で受賞表彰式と記念講演会に出席する機会を得たので,杉田玄白の出身地小浜市を訪ねることになった.授賞理由は杉田玄白・前野良沢を開祖とした蘭学史の研究を行ってきたこと,関連する5つの著作を出版したこと,第107回日本医史学会を中津で主催したこと,オランダ正月料理の復元や郷里中津市において村上医家史料館や大江医家史料館の立ち上げ,維持に協力してきたこと,「マンダラゲの会」を結成し,大江医家史料館の薬草園の維持に努め,薬膳料理,大江「薬草」風呂の復元を行ってきたこと,中津市医師会長として健康増進大会を毎年開催したり,「食と健康」について,特に骨粗鬆症やメタボリック症候群の予防に関する講演活動を継続的に行ってきたことなどが挙げられていた.筆者としては恩師の天児民和九州大学名誉教授の言われるままに,「整形外科の歴史」のテーマで調査研究を続けていただけのことなのでなんとも面映いことであるが,ともかく有難くいただくことになった.これを機に,前野良沢とともに日本に蘭学を創始し近代医学の礎石を築いた杉田玄白について改めて考えてみたい.
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