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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科44巻3号

2009年03月発行

文献概要

症例報告

三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷による遠位橈尺関節ロッキングの2例

著者: 谷野善彦1 倉林博敏1 小粥博樹1 竹内克仁1 浅野尚文1 矢部裕1 中村俊康2

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院整形外科 2應義塾大学整形外科

ページ範囲:P.315 - P.320

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 われわれは,自動回内は可能であるが自他動の回外が不可能であった三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷に伴う遠位橈尺関節ロッキングの2例を経験した.症例はいずれも単純X線像で,尺骨茎状突起骨折を認め,関節造影ではTFCCが尺骨頭と重なるような造影剤の欠損像を呈していた.MRIでは,TFCCの水平高信号と遠位橈尺関節での関節液貯留像を呈していた.本病態は三角靭帯の背側部分に尺骨頭が嵌頓することで発生していた.治療については,無理な徒手整復による尺骨小窩の損傷を引き起こさないように愛護的にロッキングを解除することが必要である.

参考文献

1) 牧田聡夫,中村俊康,高山真一郎・他:手関節三角線維軟骨複合体の回内外中の形状解析―第1報.三角靱帯の長さ変化.日手会誌14:245-249,1997
2) Nakamura T, Yabe Y, Horiuchi Y:Functional anatomy of the triangular fibrocartilage complex. J Hand Surg [Br] 21:581-586, 1996
3) 吉川泰弘,堀内 極,中村俊康・他:反復運動により発症した遠位橈尺関節ロッキングの2例.整形外科55:411-415,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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